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【タイ】韓国お笑い番組のタイ仏教コメディにタイ人激怒
配信日時:2015年6月19日 17時00分 [ ID:2113]

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タイの僧侶は、多くの戒律を守り、人々に道を説き導くことで多くの尊敬を集める。しかし、逆に戒律を破った僧侶への罰則は厳しく、時には検挙される事もある。(写真家 太田亨氏 提供)

 2015年6月18日、タイのSNSに掲載された韓国のお笑い番組が多くのタイ人のひんしゅくを買っている。タイの僧侶の格好をしたコメディアンたちが、面白おかしく演じている映像は、タイ人たちは見るに耐えないようだ。


 問題となっている映像は、タイのSNSにアップされると瞬く間にネチズン(ネット市民)たちが噛み付いた。番組の中では、女性に触れたり、叩き合ったりすることや、女性がオレンジ色の袈裟を着ているなど、タイの僧侶は絶対にしてはならないとして、戒律に定められていることを次々と、お笑いのネタとして繰り出している。

 タイ仏教では、僧侶は200以上の戒律を守らなければならず、一般の人々もその戒律を尊重してい生活している。だからこそ、尊敬の対象になっており、戒律を破った場合は逮捕される事もある。

 外国人にも有名な戒律として、僧侶は女性に触れはならないというのがある。バスや電車で僧侶が座ると、近くの女性も席を移動したり、道を歩いているとき等にすれ違う時も、女性は離れた位置に移動する。これは女性側も僧侶に触れないように気使っているからだ。

 また僧侶として、オレンジ色の袈裟を切る事が許されているのは男性のみで、女性は白い袈裟を着用するが、僧侶にはなれない。タイ人女性が正式に僧侶になりたい場合は、隣国ミャンマーで出家しているのだが、タイ国内では認められていない。

 番組では、これらをことごとくお笑いの中で演じている。中でも僧侶の袈裟を来た女性タレントが、男性僧侶を触ったり、仏像の頭を叩くなど、タイのお笑いでさえあり得ない所行の数々に、さすがに寛容なタイ人も激怒しているというわけだ。

 昨年末に日本人のバンドが、僧侶のコスチュームで演奏した際にも多くのタイ人がクレームをつけたことがあった。しかし、バンド側がすぐに謝罪。すると逆に応援のコメントが多く寄せられるということもあった。

 今回、Facebookに掲載された記事と動画は、現在は削除されているようだが、YouTubeにタイ人がアップした映像には、未だに多くのコメントが寄せられている。

 コメントを寄せたある韓国人は、「韓国には、宗教の自由とともに表現の自由がある。これを尊重するべき」という意見が寄せられていたが、タイ人からは、「異なる文化に対しては敬意があるべきで、この映像にそれは感じない」と反論されていた。

 また、Kポップファンと名乗るタイ女性は「信じたくないけど、韓国の人がこれほど私たちをバカにしているなら、もうKポップも聴きたくない」と書き込んでいた。また他の女性は、タイ語の他に日本語と英語で「ひと言どんな言葉でもいいから、心から謝ってくれればいいんです」と投げかけていたが、その返答は、これまでのところ寄せられていない。

 タイでも、僧侶の格好をしてのお笑いが放映されることはよくある。それらをタイ人自身も、自分たちだってやっていると言う意見もある。しかし、タイのお笑いでは、当然のごとく最低限のルールは守られており、キチンと敬意は払われている。

 今回の韓国の番組のように、女性が僧侶に触ったり、まして袈裟を着ると言う事は有り得ない。タイの文化に対して、少しでも敬意が払われて企画された内容であったなら、こうしたコントはできなかっただろう。

【翻訳/編集:KK】

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