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「インドネシア国債」S&P投資適格級への引き上げを予想ーHSBC投信
配信日時:2015年5月13日 14時02分 [ ID:1896]

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HSBC投信は、今年後半に、S&Pがインドネシア国債を投資適格級に引き上げるものと予想。写真は、ジャカルタの高層ビルと庶民の家(HSBC提供)

 2015年5月13日、HSBC投信は、インドネシア債券市場と外国為替市場の見通しについて伝えた。

 インドネシア債券市場は、5月以降、軟調となっており、12日(火)の終値で10年物国債利回りは4月末対比で0.55%上昇の8.26%となった。また、ルピア相場も対米ドルで-1.8%の13,194ルピア。

 この背景には、5月5日に発表されたインドネシアの1-3月期の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比+4.7%と前四半期の+5.0%から減速したことが挙げられている。しかし、ジョコ大統領主導によるインフラ整備拡大などからインドネシアの高成長回帰が大いに期待できると考える。

 5月に入り、1-3月期の経済成長率が減速したことを主因に、インドネシア債券およびルピア相場は軟調に推移。しかし、長期的にはインドネシアの高成長回帰が見込まれるインドネシアの改革推進期待、高成長回帰見込み、相対的に高いインドネシアの国債利回り、格上げ予想などから、債券市場に対し強気スタンスを維持。

インドネシア債券市場の見通し
1.ガソリンへの補助金撤廃に伴い、財政赤字の縮小が見込まれること。
2.原油安による原油輸入額の減少が経常収支の赤字縮小に繋がること。
3.日欧では緩和的金融政策が継続・強化されると予想され、相対的に高い利回りを有するインドネシア国債は外国人投資家にとり魅力的であること。

 なお、先進国国債の利回りは引き続き低水準で推移していることから、相対的に高い利回りを有する新興国国債に資金流入が見られていることも、インドネシア債券市場にとり好材料と言える。ジョコ大統領は着実に改革を進めており、1月のガソリン補助金の撤廃に続き、4月末から外資系企業に対して、配当・利益を本国に回金する代わりにこれら資金を国内再投資に振り向ける場合、減税措置を実施している。これは経常赤字削減策として大いに注目されている。

 こうした中、HSBCグループでは年後半にS&Pがインドネシア国債を投資適格級に引き上げるものと予想、この場合、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングスを含め3大格付け会社全てから投資適格級を得ることになり、機関投資家を中心にインドネシア国債への資金流入の加速が見込まれると考える。


【編集:TY】

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