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交通渋滞緩和へ、中央制御できる100カ所の信号機を整備ーJICAカンボジア事務所
配信日時:2016年5月20日 11時00分 [ ID:3420]

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混雑が増す一方のプノンペンの道路

 2016年5月19日、JICAカンボジア事務所が発行する「カンボジアだよりNo57」に、『プノンペンで100カ所の信号機整備 中央制御で交通渋滞緩和へ』と題する記事が掲載された。

 (記事)「日々ひどくなるプノンペンの交通渋滞。さまざまな要因がありますが、その一つが、無秩序ともいえる信号機です。そこで、プノンペン内100カ所に及ぶ信号を整備・新設し、中央制御するシステムの整備が3月、日本の無償資金協力で始まりました。 この「プノンペン交通管制システム整備計画」は、信号機を64カ所で付け替え、36カ所で新設するほか、それぞれに制御機や車両感知器をつけます。信号機は光ケーブルで、日本橋の先のプノンペン都公共事業運輸局内に整備される交通管制センターと結ばれ、中央制御が可能 になります。これまで、昼も夜も一定の間隔だった点灯の時間が、変化する交通量に応じてコントロールされるようになるのです。また、26カ所の交差点にモニター用のカメラを設置し、交通管制センターで一括監視ができるようになります。プノンペンの現在の信号機は、援助国がその都度設置したものが多く、形も表示方式もバラバラです。交通量の多い、少ないで信号機の点滅の間隔が変化することもなく、交通渋滞を悪化させています。

 実は、日本でも1960年代までは中央制御システムがありませんでした。車両の急増による交通渋滞だけでなく、事故も多く発生し「交通戦争」とまで呼ばれました。今のプノンペンはこの時の日本のような状態にあります。交通管制システムを適正に整備することは、渋滞を減らすだけでなく、人命を守り、都市の安全を向上させることにもつながるのです。 JICA専門家によると、東南アジアの他の都市では、今回のような規模で信号機の中央制御システムを導入し、効果を上げている都市は、シンガポールを除いてはないのではないか、とのことです。今回のプロジェクトが完成すればプノンペンは、東南アジアでも最先端の交通システムを持つ都市となります。 信号機とともに、歩行者用の信号も設置され、横断歩道や停止ラインなどの道路表示も整備されます。プロジェクト全体の終了は2017年 3月の予定ですが、今年11月ごろからは整備された信号機が順に運用開始されるとのことです。 もっとも、いかに最新の技術を導入したとしても、信号機の設置だけでは問題は解決できず、交通ルールやマナーを守る教育が課題となっています。」

 JICAの場当たり的ではない、将来を見据えた支援は、カンボジアでも評価されている。

【編集:KM】

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