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【マレーシア】政治風刺漫画家逮捕 表現の自由求める
配信日時:2016年11月29日 15時00分 [ ID:3961]

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マレーシア

 2016年11月26日、マレーシアの漫画家Zunar氏がマレーシア警察に逮捕された。Zunar氏(本名 Zulkiflee Anwar Haque 54歳)は政治風刺漫画で知られている。

 11月25日、ペナン州ジョージタウンの高層ビル、コムターにおいて、Zunar氏の政治風刺作品の展示会の開催が予定されていた。しかし、会場にナジブ首相が総裁を務める統一マレー国民組織(UMNO)のペナン支部青年団メンバー約50名が押し寄せ、作品の中にナジブ首相を風刺した作品があることと、展示会場がペナン州政府事務所のすぐ側であることが、侮辱的であり扇動的であるとして、展示会の中止を要求する騒ぎを起こした。会場には治安警察機動隊が出動し、展示会は中断となった。また、警察の誘導によって20数点の作品が展示から外された。

 翌26日、前日の騒動の聴取のために警察署に出頭したZunar氏は、煽動取締法違反の容疑で逮捕された。24時間以上拘留され、さらに、騒乱を誘発する侮辱行為による刑法違反の容疑での取り調べも行われた。Zunar氏はこれ以外にも9件の煽動容疑をかけられている。また、同法規定のため既に海外渡航を禁止されている。Zunar氏はナジブ首相の不正疑惑を風刺する作品を多数発表していた。

 ナジブ首相は昨今の政権批判に対し、強権的な政策を取り続けている。昨年にはナジブ首相が設立した国有投資会社「1MDB」から7億USドルを個人口座に入金した横領疑惑が報じられたが、政府に批判的な政治家、法律家、ジャーナリストが多数逮捕される事態に発展した。また、同時期に煽動取締法の改正が行われているが、同法についてはマレーシア憲法違反の規定がある可能性が議論されている。


【執筆:Ben Syghnoue】

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