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【タイフェスティバル2022】参加の4MIXが日本語で歌う件の裏話:作詞編
配信日時:2022年5月4日 11時00分 [ ID:8015]

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タイフェスティバル2022オンライン会場(https://gotothailand.jp/thaifestival/)アメリカ、メキシコなどでも大人気のLGBTG+ボーイズユニット4MIX

 2022年5月1日から、毎年恒例のタイフェスティバルが、昨年に続いて今年もオンラインで開催されている。今年のメインテーマは「T-POP」ということで、タイの人気アーティストたちの演奏を楽しめることも大きな話題だ。そのオンラインコンサートが15日(日)に開催され、以下のアーティストが出演する。

 Ink Warunthon、Stamp Apiwat、Tilly Biras、4EVE、Bright-Dew-Win-Nani、Bell Warisara、Ice Paris、そして4MIX。

 今回参加する4MIXは、このタイフェスティバルのために日本語スペシャルバージョンを用意している。本サイトでは、その経緯について裏話も含めて単独レポートしたい。

 4MIXは、ニンジャー、フォークソング、ジョージ、マッカの4人メンバーで、2021年に結成されたK-POP風なダンサブルナンバーとミックスジェンダーなファッションで人気上昇中のアイドルユニット。タイ国内の人気はもとより、アメリカやメキシコでLGBTQ+ユニットとして注目されていて、昨年タイ関連のイベントが行われたメキシコでは、3,000人を超えるファンが詰めかけて、現地でもニュースになる程だった。

 さて、この4MIXが今回のタイフェスティバル2022への参加のために、日本向けのスペシャルミックスを作った。そして、日本語で歌おうと日本語歌詞の制作に、人を通じて著者に連絡が来た。著者はタイ音楽と言っても、大衆向けなタイの歌謡曲ルークトゥンばかり聴いているので、この4MIXについては全く知らなかった。(申し訳ない・・・)

 その連絡が来たのが、4月12日。そして、20日には録音をしたいという希望。忙しい彼らのスケジュールが空いているのが、その日しかないそうで、遅くても前日19日中には、完成させていなければならない。かなり無茶なオファーだと思ったのだが、せっかくの機会でもあり、面白そうだったので引き受けることにした。

 まずは、原曲と歌詞を送ってもらって、聴き続けながら翻訳を進める。もちろん、タイ語を日本語に翻訳しただけでは歌うことはできない。そこからは、作詞家のごとく、全体的な意味(コンセプト)から言葉を選んでメロディーやリズムに合わせて再構築していく作業だ。こうして書くと単純そうに思えてしまうのだが、4MIXを知らないどころか、この音楽ジャンル自体を全くといっていいほど聴いてこなかった著者にとっては、送ってもらった原曲を最初に聴きながら茫然自失。頭の中が真っ白になってしまった。そして、ふと我に返って「これは引き受けるべきじゃなかったかも?」と大きな後悔の念が押し寄せてきた。

 しかし、一旦引き受けてしまった以上は、今更できないともいえない。と、気を取り直して聴きながら、タイ語の歌詞と睨めっこを丸一日続けた。そして、翻訳した文からメロディーに当てはめていく。英語の部分は、そのまま残そうと決めていたので、その点も歌詞を作る上でガイドラインになって大いに救われた。

 2日目には、かなりの部分が出来上がったのだが、そこにラップという最大の難関が立ちはだかった。それはもう、本当にギブアップして、ここはそのままやってくれと諦めかけたのだが、3日目にかけて元歌詞からのイメージが、やっと日本語として乗った時には思わず「やったー!」と心の中でガッツポーズをしていた。

 思えば、この自分に4MIXの曲に歌詞を付けろなどというのは、失礼を承知で例えてみれば、かの「なかにし礼」先生にBTSの曲を作詞してくれといっているような、それほどにジャンルとしての大きなギャップがあることだった。しかし、自分にとってはとても貴重なチャレンジとなったし、結果的にすごく面白かった。また、次回に詳しくレポートするが、こういうジャンルの歌手たちを知る機会としても、とても興味深い出来事だった。

 この曲が披露されるタイフェスティバルT-POPコンサートは、5月15日(日)14:30(日本時間)スタートする。

 タイフェスティバル2022オンライン会場。また、775ライブリーFM(聴取エリア・朝霞、和光、新座、志木の4市)が、5月4週に渡ってこの4MIXを特集している。毎週月曜日にDJ nanakoさんが担当する「GOGOひるず」内12:30頃からのコーナー「アジアンポップスNEXT」で、この日本語バージョンが先行公開される。放送は、インターネットやスマホアプリ「リスラジ」でも聴くことができる。

 次回は、この日本語バージョンのレコーディングに伴う日本語での歌唱指導にまつわる裏話をお話ししようと思う。

【執筆:そむちゃい吉田】

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