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【タイ】愛媛トヨタから「北部山岳国境地域の子どもたちへ」13回目の支援品が届けられる
配信日時:2022年11月17日 13時15分 [ ID:8502]
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2022年11月10日から12日にかけて、愛媛トヨタ自動車から贈られた学用品や衣料などが、北部山岳地の子どもたちに届けられた。過去12回に渡って愛媛からタイの子どもたちに届け続けられてきた支援は、新型コロナで渡航できない年月を乗り越えて、今回で13回目となったドネーションに同行した。
愛媛トヨタ自動車株式会社(本社:松山市宮田町109-1 代表:大城戸圭一氏)は、愛媛県松山市を中心に県内8店舗を持つトヨタの販売店。同社は社会貢献活動の一環として2007年よりタイ北部の子どもたちの支援を毎年続けてきた。新型コロナの影響で2019年から2021年は中断していたものの、販売店で衣服や学用品などの支援品受け付けは続けられてきた。今回の支援は3年ぶりの実施となり、その間に集まった支援品は40フィートのロングコンテナ満載となった。しかし、新型コロナの情勢もあり、社員の渡航は制限されてしまったため、今回はタイで当初から活動に協力してきたタイ人と在住日本人が代行して届けた。
タイでの支援品の受け入れと学校との調整をまとめ、かつ同志を募って今回の支援品を届けたのは、かつて愛媛の日本企業で長年働いた経験を持つ、スポーン・スッオーン氏(75歳)だ。今回、自身の地元北部ランプーン県のロータリークラブや旧知の知人友人に声をかけ、20人ほどが参加した。また、バンコク在住の日本人3人と通訳、そして、わたしも含めた25人が愛媛トヨタの人々に変わってメーホンソン県の2つの小学校に支援品を届けた。
1校目に訪れたノーンキヨウ村小学校は、幼稚園から6年生までのカレン族の児童145人が在籍。メーホンソン県は山岳地であるため、山越えの通学が困難な子どもたちの多くは校内にある寮で暮らしている。夕方に到着した一行はカレン族の伝統料理と、生徒たちの歌や踊りで歓迎された。贈呈式では、児童が織った伝統織物が参加者それぞれに感謝の印として進呈された。また、近くにある3つの小学校も参加して、それぞれ支援品が手渡された。パノーラー・ディへー校長先生は、タイ語、英語、そして、日本語とカレン族の言葉も交えて、愛媛トヨタと一行への感謝と共に次のように述べた。「今は国境を超えて自由に行き来ができる時代です。そしてネットではいつでも世界と繋がっている。タイと日本はこれからも親しく友人であり続けるでしょう。」
2校目は内戦状態にあるミャンマーと国境を流れるサルウィン川(タイ名:サーラウィン川)沿いにあるターターファン小学校。ここへ辿り着くには、険しい山道を3時間近く行く必要があるため、今回は10キロほど下流の地点から船で向かった。学校へ向かう船から見る山々は、右岸がタイ、左岸がミャンマーだ。これは日本人としては、非常に貴重な経験だった。この川を隔てて同じカレン族が住んでおり、親族が両岸に分かれている家族も少なくない。
ターターファン小学校には、やはり幼稚園から6年生145人が在籍。ここも山越えの子どもたちが寮生活をしている。今回の2校とも観光地とはかけ離れているため、子どもたちばかりでなく、日本人を見るのは初めてという村人がほとんど。また式典の開催には地域を管轄する陸軍も協力し、当日も10人ほどが列席した。
サーヤン・ポースワン校長先生は感謝の挨拶の中で「タイと日本は、長い間、そして今も友好関係にあります。多くの子どもたちが日本に憧れ、目標にしています。こうして日本の人々からの支援を受け取る機会をいただいたことは、きっと子どもたちにとっても、この友好の絆を強めることになるでしょう。」と語った。
愛媛トヨタからの支援品は、生徒だけはなく小さな子どものいる村人にも手渡され、会場は終始笑顔で包まれていた。式典が終わった後通学する児童たちは、支援品が詰めこまれて自分と同じくらいの大きな袋を抱え、それでも笑顔で坂道を帰っていった。
タイの教育環境はこうした国境地帯までも校舎などの設備が整ってきた。また、2校とも児童と同じカレン族の人が校長をするなど、独自の言語を持つ少数民族への配慮もされている。しかし、地域一体は農業以外の収入源もなく、貧しいままだ。日本から見た一般的なタイのイメージは、すっかり中進国となっているが、地方、特に山岳地帯で取り残されている子どもたちはまだまだ多い。こうした支援活動は、子どもたちの学習に役立つ以外にも、子どもによっては、日本に関わる仕事をしたいという夢を抱く大きなきっかけになるだろう。この愛媛トヨタによるこの支援活動は、今回で一旦休止となるそうだが、ぜひとも早い再開をして欲しいと願う。
愛媛トヨタからは次のようなコメントが寄せられた。「2007年、私たちは縁あって、タイ北部の山岳民族の人々に、心ばかりの物資を贈らせていただく機会に恵まれました。現地を訪れてみるとそこには、笑顔と生きる希望に満ちた、たくましい人々の姿がありました。物質的に決して豊かでなくとも、人々の心は誇り高く温かでした。私たちは、この支援活動を通じて、大事なものに気づかせていただいたように思います。それは感謝の気持ち。豊かな心を持つことの大切さ・命の尊さに気付かせてもらったこと。ひとつの目的のため国境を越えて協力しあうことの素晴らしさを実感させてもらったこと。そのすべてに、心から“ありがとう”の気持ちでいっぱいです。気が付けばこの活動も15年が経ちました。今回は心ならずも現地へ行くことが叶いませんでしたが、有志の皆さまが私たちの思いを一緒に物資を届けて下さいました。最後に、永きに亘りこの支援活動に多大なご尽力を賜りましたスポーン氏をはじめ現地の皆さま、そしてたくさんの物資をいただいた皆さま、支えて下さった皆さまに、心より感謝申し上げます。」
【取材/写真:そむちゃい吉田】
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