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漆沢祐樹 氏 Beyond1000 上場企業の100億の壁を超える勉強会を開催
配信日時:2025年11月14日 12時00分 [ ID:10572]

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漆沢祐樹氏

 世界経済が地政学リスクの拡大、AIによる産業構造の変革、インフレ・金利上昇と、「過去30年で最も変化の激しい経済環境」に突入する中、企業の経営レベルの質が企業価値を大きく左右する時代となった。

 こうした中、上場後の成長停滞、いわゆる「東証100億円問題」に直面する日本企業が、次の成長ステージを本気で議論する経営者コミュニティ「次世代型CXO成長会議 Beyond1000(ビヨンド1000)」が注目を集めている。

 発起人は、上場企業の成長戦略支援や複数企業の役員を務める漆沢祐樹氏。共同主催には、グローバル進出支援のJICと、企業分析・財務リサーチのリンクスリサーチが参画し、東海東京証券が協賛する。勉強会は、東海東京証券の会員制ラウンジ「クラブサロン オルクドール」を会場に、経営、財務、IRの第一線が集結。「100億の壁を超えて1000億企業へ」をテーマに、実務に根差した実践的な議論を展開した。

 日本企業の多くは、上場後の時価総額100億円前後で成長が停滞し、グローバル競争を勝ち抜く事業ポートフォリオの再構築や、迅速な経営判断、AIを活用した生産性改革、投資家から評価されるガバナンスと情報開示といった、「強い企業」に求められる要件への対応が急務となっている。Beyond1000は、この構造課題に対し、CXO(最高執行責任者などの経営幹部)が本音で戦略を共有し、成長を加速させるための「エコシステム」を目指すという。

 特に注目を集めたのは、第2回のメインテーマ「グローバル経営 × 1000億創出」だ。メインゲストには、東証グロース市場上場で時価総額600億円級の成長企業、株式会社ビジョン 代表取締役社長の佐野健一氏が登壇した。

 佐野氏は、通信インフラ事業「グローバルWiFi(R)」で国内外の展開を成功させ、コロナ禍を乗り越えて時価総額を急伸させたV字回復の実績を持つ。講演では、世界32拠点に広がる海外戦略、不況時の意思決定術、新規事業の創り方など、「表では語られないリアルな経営戦略」が共有され、参加者からは「本音ベースで聞ける貴重な機会」と驚きの声が上がった。

 会場には上場企業・プレ上場企業を中心に40社以上が集結し、議論された議題はAI時代における成長戦略、M&A・PMI(買収後の統合プロセス)の実務、地方企業の時価総額向上策、100億から1000億へのバリュエーション戦略など、CXO向けの高度なテーマが中心となった。共同主催・協賛各社と、企業成長を支える実務のプロが一堂に会し、日本企業が抱える「スケールの壁」の乗り越え方を多角的に探る場となった。

 発起人の漆沢氏は、「アメリカでは1兆円規模の企業が次々と生まれる一方、日本は『100億の壁』で止まってしまう企業が多い。ここを突破するには、CXO同士が本音で未来を語り合う場が必要」と指摘。「Beyond1000を、『日本企業の成長産業化』を進めるエコシステムにしていきたい」と意欲を示す。

 すでに参加企業同士の協業・提携、資本政策の共同研究、海外展開支援の連携、IR向けコンテンツ開発といった具体的な動きが始まっており、単なる勉強会にとどまらず、「企業価値向上にコミットする経営者コミュニティ」へ進化している。

 世界経済が激変する今、企業の経営品質こそが時価総額の差を生む最大の要因となっている。Beyond1000は、日本企業が再び世界で戦うための「1000億企業を量産する最前線」として、今後さらに存在感を高める見通しだ。

【編集:YOMOTA】

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