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「タイネットワーキング」開催(3の1)=タイ王国大使館経済・投資事務所公使
配信日時:2014年4月3日 14時33分 [ ID:313]
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2014年3月28日、日本アセアンセンター(東京都港区)で「タイネットワーキング」が開催された。定員の120名を大きく上回る400名近くの応募があったという。国別ネットワーキングは、1月にマレーシア、フィリピン、2月のラオス、3月のインドネシアに続き5か国目の開催となる。
日本アセアンセンター大西克邦事務総長、タナティップ・ウパティシン駐日タイ王国特命全権大使に続き、タイ王国大使館経済・投資事務所公使サリン・ウィサーンサワット氏は 「タイにおける投資環境と投資政策」について講演した。
サリン公使による講演の要旨は以下の通り。
はじめにタイの経済に関する数字を紹介する。タイの人口は6700万人(うち労働人口は3913万人)、一人当たりのGDP(国内総生産)は5647ドル(日本円で約58万円)である。タイ人の所得額も向上しており、購買力も拡大している。農業国から工業国へと脱皮しつつある。タイはASEANの中心に位置しており、交易アジア市場への玄関口となっている。タイは工業、製造業の一大拠点であり、ASEANの中心国として消費需要も活発である。昨年の下期のGDP成長率は1.6%で、上期の4.2%からは減少している。(通年では2.9%成長)2012年の6.5%に比べると控えめな成長率となっているが、今年は3~4%の成長を取り戻す見込みである。
我々はタイでビジネスを展開する企業に様々なメリットを提供することができる。タイは事業の展開先としても国際的評価が高い。国連貿易開発会議(UNCTAD)はタイを多国籍企業による展開先として上位有望経済国の18番目にランク付け、世界銀行はタイをアジアにおいて最もビジネスを展開しやすい場所の一つと位置づけ、ビジネスの容易さ世界ランキング18番目にランク付けしている。
タイの法人所得税は20%である。(地域事業本部事業は10%、中小企業は15%)タイ政府はタイで行う事業の競争率を高めるため、法人所得税率を下げている。(ASEANではシンガポールの17%に続き2番目に低い。)また、法定最低賃金を日給300バーツ(日本円で約955円)に引き上げたが、この賃金にはまだ競争力がある。雇用主に負担の高い社会保障費が5%と低いこともメリットが高い。
最新の投資統計を見ると昨年は投資プロジェクト数、投資額ともに大きく減少した。投資額の多くはサービス業に集中した。これには電気電子の製造業者、航空業界からの投資が含まれている。今後は電気電子、代替エネルギー(風力など)を奨励していきたいと考えている。タイにとって自動車産業は多くの投資をもたらしている。昨年度の投資は前年比では落ち込んでいたが、2011年に比べると投資件数も金額も増加している。金額については89%の伸びとなっており、前年度比では減少しているが高水準で推移したといえる。今年の状況は政治的な問題があり、2億バーツを超える案件は審査が滞っているが、それ以下のものは通常通り進んでいる。1、2月については件数、金額ともに落ち込んだが、これについては短期的なものであると信じている。
外国からの直接投資についても同様に1、2月は落ち込んでいる。日本は長年に渡り1番の投資国である。世界経済の回復にともない日本からの投資も順調に増えてきた。2012年(1兆1220億円)は2011年(6390億円)に比べ急増している。ほぼ倍増となっているがこれは2011年の洪水の影響が強かった。2013年(8490億円)はそれに比べると控えめな数字になった。しかし2011年を上回る数字となっている。分野別にみると最も多いのが自動車、次いで電気電子、石油化学等にも多く投資して頂いた。そのおかげもありタイは2012年に自動車生産において世界のトップ10入りを果たした。
日本貿易振興機構(JETRO) の行った海外進出に置ける再編動向アンケート調査によると日本からASEANへの移管が24.2%で、うちタイへは10.9%にのぼる。業種は、鉄鋼、非鉄、金属製品、自動車、自動車部品、その他輸送機械、電気電子にわたる。現在、海外拠点を持つ日本企業が今後海外で拡大を図る国については中国、タイ、インドネシアの順であった。タイのビジネス環境においては新規規模・成長性、取引先企業の集積、関連産業の集積、インフラの充実、生活環境の充実等が期待されている。
【撮影/編集:太田雅幸】
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