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スズキ「S-Presso」、フィリピンで販売好調 高車高と価格競争力が奏功
配信日時:2025年11月4日 11時00分 [ ID:10516]

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スズキショールーム

 2025年11月、インドのマルチ・スズキが生産するコンパクトカー「S-Presso(エスプレッソ)」(1000cc)が、フィリピン南部の経済都市ダバオ市などで販売好調だ。

 人気の背景には、競合他社のモデルに対する明確な優位性がある。特に、ライバルであるトヨタなどの同クラス車種に比べ、車高が高く設計されている点が、フィリピンの消費者から高く評価されている。この高い車高は、未舗装路が多い現地の交通事情に適応するだけでなく、高齢者や子供の乗り降りのしやすさにも直結しており、ファミリー層からの支持も厚い。

 価格競争力も大きな武器だ。「S-Presso AGS」が車両本体価格から大幅な値引きが適用され、さらに「保険」「3年間のLTO登録(陸運局登録)」「ティント(窓フィルム)」「マッティング(フロアマット)」などの無料特典が多数付与されており、消費者の初期費用負担を軽減する戦略が奏功している。

 また、フィリピンにおけるスズキのブランド知名度の高さも販売を後押ししている。同国では長年にわたり、日本からの中古の軽自動車が、部品として解体輸入された後、現地で溶接され「一台の車」として組み立て直され販売される商習慣が根付いてきた。この過程で、品質と耐久性に定評のあるスズキの軽ワゴンが多く流通した結果、同ブランドに対する信頼と認知度が極めて高い。

 S-Pressoは、この高いブランド力を基盤に、インド生産によるコスト優位性と、現地のニーズを捉えた高車高設計が組み合わさることで、フィリピンのパーソナルモビリティ市場における確固たる地位を築きつつある。


【編集:Eura】

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