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ダバオ市トリル公設市場、熱帯の活気! 庶民の台所、豊かな海の幸と大地の恵み
配信日時:2025年11月10日 11時00分 [ ID:10526]

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2025年11月6日撮影

 フィリピン南部ミンダナオ島の中核都市ダバオ。その郊外トリル地区にある「トリル公設市場」は、地元住民に「パレンケ」として親しまれる、市民生活を支える心臓部だ。早朝から夜にかけて、人々の熱気と、熱帯の豊かな産物がひしめき合い、独特の喧騒を生み出している。

 市場内でも特に活気があるのは、海産物を扱う「フィッシュセクション」だ。近海で獲れたばかりの新鮮な魚が、照明の下で銀色に輝き、所狭しと並べられている。売り台には、鮮度を保つため氷が敷かれ、売り子たちが威勢の良い掛け声で客を呼び込む。

 アジやサバに似た魚に加え、日本では見慣れない熱帯魚種も並び、多様な食文化を反映している。魚種によっては「140ペソ/キロ」などと手書きの価格札が掲げられ、庶民の生活に直結した価格競争が繰り広げられる。トレイに山積みされた新鮮なエビ(280ペソなど)や、採れたてのウニなども販売され、海の幸の豊かさを実感させる。

 通路を抜けると、色とりどりの野菜や果物が積まれたエリアが広がる。熱帯の強い日差しを浴びて育った農産物は、鮮烈な色彩で買い物客の目を楽しませる。フィリピンの代名詞ともいえる黄金色のマンゴーをはじめ、真っ赤なスイカなどが積み上げられ、甘い香りが漂う。

 長ナス、オクラ、白菜に似た青菜、そして多くの料理に欠かせない生姜やニンニクなど、地元の食卓に上るあらゆる食材が手に入る。市場の床は濡れており、必ずしも衛生的とは言えない環境だが、市民は慣れた様子で食材を吟味し、店主と値引き交渉を交わす。売り手と買い手の密なやり取り、生活必需品が軒先に並ぶ光景は、市場がこの街の「日常の縮図」であることを示している。公設市場は、ダバオ・トリル市民の胃袋を支える重要な拠点として、今日も熱気に満ちた営みを続けている。

【編集:EULA】

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