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フィリピン台風25号、セブ州で「洪水被害」深刻、188人死亡・135人行方不明
配信日時:2025年11月7日 19時30分 [ ID:10537]
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大型で強い台風25号(ティノ/カルマエギ)が4日から5日にかけてフィリピン中部を通過し、甚大な被害が明らかになっている。特に人気観光地セブ州では記録的な豪雨による大規模な洪水が発生し、同州コンポステラ町では少なくとも25人が死亡した。フィリピン全土の死者数は188人で、現地当局は135人行方不明者の捜索を急いでいる。
GMAニュースなどによると、今回の台風は、中心気圧970ヘクトパスカルの強い勢力で上陸し、セブ島を中心に広い範囲で洪水被害を引き起こした。コンポステラ町のタミアオ地区では、濁流によって家屋が根こそぎ流され、多くの住宅が「ほとんど一掃された」状態となった。
また、巨大なウイングバン(大型トラック)3台が流され、家屋を押しつぶす様子も目撃された。
この町では、家族を失った悲劇も相次いでいる。ある女性は、18歳の末娘と、妊娠中であった親族(義理の娘)を洪水で亡くし、棺桶を抱きかかえて泣き崩れる姿が報じられた。この女性の長男も行方不明となっていたが、後に遺体で発見されたという。住民は「助けて」と叫びながら流され、ヤシの木にしがみついて助けを求める人の姿もあった。
甚大な被害を受け、セブ州では災害対策のあり方について疑問の声が上がっている。セブ州のパメラ・バリラン知事は、2022年から今年にかけて州の治水事業に投じられた260億ペソ(約680億円)に上る連邦政府の予算について、使途の徹底的な調査を求めると表明した。
知事は、100人以上の命を奪い、捜索が続く大規模な鉄砲水は、環境要因だけでなく、「問題のある治水プロジェクト」にも原因があるのではないかと指摘。「なぜこれほどの深刻で大規模な洪水が起きたのか、原因を問いただしたい」と述べ、州議会に対し、予算の使途や工事の状況、さらには伐採などが懸念されるセントラル・セブ保護区(水源地域)の状況についても調査するよう求めている。
今回の台風は、9月にマグニチュード6.9の地震に見舞われ復興途上にあったセブ州に追い打ちをかける形となり、「多重被災」の状況が深刻化している。
【編集:EULA】
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