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ミンダナオ島モスリムエリア訪問記ーオサミス市在住16年目・上野浩一
配信日時:2025年11月11日 7時00分 [ ID:10547]
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レストランで注文をしているモスリムの女性2人。左の女性はヒジャーブ(Hijab)というスカーフで髪や首、耳を覆っていました。右側の女性はニカーブ(Niqab)で目だけを出していました。食事の時もそのままでした。
2025年11月9日、趣味のアマチュア無線で知り合った友人の家を訪ねて、ミンダナオ島のコタバト市を訪問しました。
車で片道およそ5時間、距離にして220kmのロングドライブです。今回の旅の特徴は、目的地がコタバト市であり、その途中にあるラナオというモスリム地域を約4時間かけて走り抜けたことです。道中の大半は山の中で、携帯電話の電波が届かない区間も長く続きました。
ラナオもコタバト市も、外務省の海外安全情報では現在も危険レベル3「渡航中止勧告」が発出されている地域です。これは、一部の地域で武装勢力や過激派の活動が完全には沈静化していないためとされています。ちなみに、私が住んでいるオサミス市はレベル1「十分注意」で、比較的安全かつ商業都市として安定しています。
現在のMILF(モロ・イスラム解放戦線)は政府との和平合意を経て自治政府の運営に移行しており、かつてのように反政府武装闘争を行っているわけではありません。
ただし、MILFから分派したBIFF(Bangsamoro Islamic Freedom Fighters)や、イスラム国(IS)系の過激派グループが、今なおラナオ・デル・スル州やマギンダナオ州の山間部で活動を続けているとされます。そのため、外務省は引き続き治安上のリスクがあると判断しています。
それでも、実際に走ってみた山岳地帯の多くは穏やかで、コタバト市中心部や商業エリアも日常的に平和な雰囲気でした。印象的だったのは、女性の多くがヒジャーブ(Hijab)というスカーフで髪や首、耳を覆っていました。中にはニカーブ(Niqab)で目だけを出している人も見かけました。
しかし、信仰の違いがあっても、人々は穏やかに日々の生活を送り、街は普通に機能している――その光景を目の当たりにし、宗教や文化の違いを超えた「日常の平和」を強く感じました。
【執筆:オサミス市在住16年目・上野浩一】
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