TODAY 2026年1月14日
フィリピンのニュース
「医食同源」新興国に浸透する自然の恵み フィリピン・ダバオ「エブリユー(Everyou)」
配信日時:2026年1月14日 9時00分 [ ID:10810]
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熱帯の強烈な太陽が照りつけるフィリピン南部ミンダナオ島の中心都市ダバオ。その郊外、トリル地区にある大型商業施設「ガイサノGモール」を歩くと、新興国の経済成長の陰で静かに、しかし確実に広がる「健康革命」の現場に出くわす。
通路の一角を占める「エブリユー(Everyou)」の販売特設ブースには、眩いばかりの黄色いボトルが山積みされ、多くの市民が足を止めていた。ここで売られているのは、フィリピンの豊かな大地が育んだ薬草や果実を凝縮した健康食品の数々だ。
▽多岐にわたる「熱帯の処方箋」
ブースに掲げられた青い看板には、「ウコンの健康上の利点」として、尿酸値の低下、コレステロール管理、免疫力の強化、さらには抑うつや不安の改善まで、現代人が抱える悩みに応える効能がずらりと並ぶ。
そのラインナップは、まさにフィリピン版の「医食同源」を具現化している。
ウコン(ターメリック): 主力の濃縮飲料として、カラマンシー(比産ライム)や蜂蜜を配合した飲みやすい形で提供されている。
マンゴスチン: 「果物の女王」の皮に含まれる抗酸化成分キサントンに着目した粉末が、健康維持の要として配置されている。
モリンガ(マルンガイ): 「奇跡の木」と呼ばれ、現地の食卓ではスープの具材として一般的だが、ここではより高濃度の粉末として販売される。
生姜(ジンジャー): 体を温め、消化を助ける伝統の知恵を、手軽に摂取できる粉末状に加工している。
天然ハチミツ: 山岳地帯などで採取された純粋なハチミツが、栄養補助として添えられている。
▽高まる自己防衛意識
なぜ今、フィリピンでこれほどまでに自然由来の健康食品が求められているのか。背景には、この国が直面している切実な医療事情がある。
フィリピンでは経済発展に伴い、食生活が欧米化・高度加工化しており、糖尿病や高血圧といった生活習慣病が急増している。一方で、国民皆保険制度が未だ途上にあるこの国では、一度重病を患えば、高額な医療費が家計を破綻させかねない。
「病気になってから治すのではなく、日々の食事で防ぐ」。こうした予防医学的な観点が、コロナ禍を経て中間層から低所得層にまで急速に浸透した。モールを訪れていた主婦(42)は「家族の健康を守るのは、台所にある『自然の薬』だ」と語る。
▽「タイパ」と「地産地消」の両立
特筆すべきは、これらの商品が「利便性」を極めている点だ。粉末や濃縮液に加工することで、多忙な共働き世代でも日常的に摂取できるよう工夫されている。看板に踊る「FREE TASTE(試飲無料)」の文字に誘われ、味を確認してから納得して購入する消費者の姿は真剣そのものだ。
また、3本で1,100ペソ(約2,800円)という価格設定も興味深い。これは現地の庶民にとっては決して安い買い物ではない。しかし、病院の診察料や薬代を考えれば、これは「賢い先行投資」と受け止められているのだ。
▽変化する新興国の消費
ダバオの街角に見るこの光景は、単なる一時的な流行ではない。所得水準の向上とともに、フィリピン人の価値観が「単なる消費」から「生活の質の向上」へとシフトしている証左である。
ミンダナオ島の豊かな土壌から生まれるウコンやマンゴスチンが、最先端のショッピングモールで「健康の象徴」として売られる。伝統的な知恵と現代の利便性が融合したこのブースは、変わりゆくフィリピンの未来を映し出す鏡のようだった。
【編集:Eula】
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