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【ボホール】知的障害者を支援する杉山明子さんー「バビタの家」スタディツアー
配信日時:2017年9月18日 9時15分 [ ID:4511]
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2017年9月18日、フィリピン・ボホールに、元JICA海外青年協力隊員の杉山明子さんが設立した、知的障害者を支援するための「バビタの家」がある。バックボーンの支援団体は無く、個人プロジェクトとして始めた個性的な家。多くの理解者を増やすためにスタディーツアーにも取り組んでいる。
参加したユキさんは「私は2週間Babita Houseに滞在させて頂きました。Babita Houseのあるボホール島タバロングはとても長閑で周りにはココナッツやバナナ、マンゴーの木が沢山生え、車通りも少なく近所の人々がとても優しかったのが印象的です。
朝はセミと小鳥の声が聞こえ、夜は虫と蛙の声を聴きながら無数の星を眺めることが出来る。そしてBabita Houseから歩いて約15分で透き通った穏やかな海を望むことが出来る、そんな場所です。Babita Houseでは創設者のあきこさん、数名の生徒たちと一緒に生活を共にさせて頂きました。
そこでの生活はとても健康的でシンプルなものでした。一日のうち朝は水が出にくいので前の日に桶やバケツに水を張っておき、水道からの水の出が少ない時はその水を使います。料理で火を起こすときは竈で薪を使い、おかずの野菜も栽培している野菜や飼っている鶏が生んでくれる卵を使います。
ゴミの回収が無いので、普段からごみを出来るだけ出さないように気を付け、燃えるゴミは各家庭で燃やします。もちろん、温水やエアコンはありません。私は中米の田舎に住んでいたことがあり断水や停電はよく経験していましたが、薪での料理やゴミを自分たちで処理していくことは初めての経験でした。
そんな時は毎回、あきこさんや生徒たちがやり方を教えてくれます。みなさん凄く手際が良い。真似しようと思ってもなかなか上手くいかず、時間も労力も使うから、私はいつも汗だくでした(笑)。
でもそんな時もみなさんと話しながら笑い、一人一人が自然に協力してくれるので、どれも楽しい良い思い出となっています。
Babita Houseの生徒たちは、知的障害や聴覚障害を持っています。しかし、彼らと生活していく中で彼らがハンディキャップを背負っていると感じることは全くありませんでした。なぜなら、彼らは健常者と同じように出来ることは何でも自分たちでやっているからです。
自転車を修理に出しに行ったり、ココナッツの木に登り実を採り自分たちでココナッツジュースを取ったり、火を起こしたり、家の床の修理をしたり。もちろん、出来ない事、やり難いこともありますが、それはお互いで協力し誰かが出来ないことも他の生徒が補っています。
もちろん生徒間だけでなく、近所の人々や道行く人々もそうです。生徒のことを「障害を持った人」として特別視して接している人は誰もおらず、皆友達として接し彼らを助ける、生徒たちもまた人々に協力し助ける。実際、私も生徒たちから生活する知恵や方法を沢山教えてもらい、助けてもらってばかりでした。本当に感謝しています。
彼らが持っている障害も、お互いが理解し合い助け合っていけば、それはもう障害やハンディキャップではなくなる。その人の個性の一つとなる。それをすごく感じました。
そして、それは健常者同士でも同じではないでしょうか。完璧な人なんていなくて、私たちは一人ひとり苦手な事や出来ないことがあります。でもそれをお互いが受け入れ協力し合えば、何の障害もなくなります。Babita Houseの生徒たちから、そのことに気づかされました。
生徒たちは、みんなそれぞれが良い個性を持っています。あきこさんと生徒たちは、いつも冗談を言い合い、笑っています。
みんなお互いのことを大好きで、理解し合い、認め合いながら明るく暮らしています。こんな生活、私は日本で出来ていたかなぁと考えさせられました。
日本は何にでも恵まれています。それに比べるとここでの生活は物や便利さは欠けると思います。
しかし、現代の日本人が忘れかけている、とても大切なことがここにあると思います。
ぜひ、沢山の人たちに(特に日本人や先進国の人々に)Babita Houseを訪れて頂き、時間に余裕があるなら、ぜひ彼らと一緒に生活を共にして頂き、私たちが忘れかけている「大切なこと」を感じてもらえたらと思います。
Babita Houseのみなさんに、Babita Houseがあるこの環境に、周りに住む近所の人々に会ってみてください。きっと、ふっと全身の力を抜いて心から笑顔になることが出来ると思いますよ」と感想を語る。
杉山明子さんは、2年6ヵ月間、JICA海外青年協力隊員として地元の特別支援学校に赴任し、知的障害の生徒や先生たちを中心に支援。卒業後の知的障害者の居場所が無く自宅で過ごすしかない現状を見て何とかしたいとの強い想いから、「バビタの家」を2016年10月にオープンさせた。
「バビタの家」の生徒は、現在6人。知的障害者(重複障害を含む)、年齢は30歳前後。ここでの暮らしは、読み・書き・算数の勉強のほか、動物の世話や野菜や果物の栽培も。仕事(作業)、食事、共同生活でコミュニケーションも学習する。知的年齢は幼稚園~小学校1、2年生ぐらい。将来的に生徒は30人ぐらいまで受け入れる予定。
スタディツアーの料金(寄付金)
1時間拝観500ペソ・半日体験1000ペソ・一日体験1500ペソ・宿泊体験2000ペソ/一泊 他
〈問い合わせ〉 バビタの家 代表 杉山明子さん E-mail bohol.japan.aopwid@gmail.com
WEBサイト http://boholjapanaopwid.wixsite.com/bohol-japan-aopwid
【編集:AS】
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