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住友商事と日新製糖、タイの大手製糖会社と提携=付加価値の高い製品で小売り業に進出
配信日時:2014年4月2日 19時00分 [ ID:306]

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カップ印で有名な日新製糖の砂糖。今回の提携により、カセート・タイ・インターナショナル・シュガー社にノウハウを伝授する。

 2014年3月31日、住友商事と日新製糖は、タイの大手製糖会社カセート・タイ・インターナショナル・シュガー社と提携することになったと発表した。

 タイ北部のナコンサワン県は世界で5番目の砂糖生産量を誇るが、30年もの間、砂糖は価格統制されてきた。世界的に砂糖の需要が急激に高まっているにもかかわらず、カセート・タイ・インターナショナル・シュガー社が砂糖の小売り市場に参入しなかった理由がそこにあった。白砂糖の値段はタイの商務省によって1キロ当たり23.5バーツに固定されており、小売販売の利益はほとんどない。

 タイのスーパーマーケットには白砂糖だけが並んでいるが、日本ではケーキや洋菓子向けなども含めて様々な種類、品質、パッケージの砂糖が売られている。今回、カセート・タイ・インターナショナル・シュガー社が、日本の住友商事と日新製糖と提携することにより、日新製糖の持つノウハウを活かして、付加価値のある製品である、顆粒状砂糖、低カロリー、粉砂糖、カラメル、ガムシロップなどを製造・販売することになった。カセート・タイ・インターナショナル・シュガー社バイオエネルギー・製品部門担当取締役のナタプン氏は「日本の住友商事と協力して、アセアン市場にも積極的に売り込んでいく」と語っている。

 シリビリヤクン家が経営するカセート・タイ・グループは北部のナコンサワン県と東北部のウタラディット県に3つの製糖工場を持ち、合計で日産8万8000トンの生産能力がある。グループでは年間約1000万トンの砂糖キビを処理し、100万トンの砂糖を生産、うち30万トンを国内販売している。

 47年の歴史を持つ家族経営のカセート・タイ・インターナショナル・シュガー社は今年前半にタイ証券取引所への上場を計画。タイ証券取引所に提出された資料によると、2013年のグループ売り上げは184億9000万バーツ(約554億7000万円)で、2012年の250億9000万バーツ(約752億7000万円)より減少、純利益も25億7000万バーツ(約77億1000万円)から12億6000万バーツ(約37億8000万円)に減少している。

【翻訳/編集:YK】

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