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タイEV市場、中国勢が席巻も日系ガソリン車が生き残るこれだけの理由
配信日時:2025年2月11日 9時00分 [ ID:10081]
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2025年2月、タイの自動車市場で、中国メーカーの電気自動車(EV)が急速に存在感を増している。2023年のEV販売台数は前年比8倍増と急拡大し、その8割をBYD、NETA、GWMなど中国系メーカーが占める。背景には、タイ政府のEV振興策や中国とのFTAによる無関税輸入、そしてメーカーによる積極的な値引き戦略がある。
中国メーカーは、政府の補助金や減税措置を最大限に活用し、競合他社を圧倒する価格でEVを販売している。例えば、BYD ATTO 3は、競合のガソリン車よりも大幅に安い価格で販売されており、消費者の購買意欲を刺激している。また、性能面やバッテリーの安全性、充電ポイントのインフラ不足などを懸念する向きも少なくない。
そして、日本車メーカーがこれまで長年培ってきたガソリン車の牙城は、そう簡単に崩れるものではない。中国EVの攻勢をよそに、日系ガソリン車が依然として強い存在感を示す背景には、以下の理由がある。
1. 根強いブランド力と信頼性
トヨタやホンダといった日本車メーカーは、長年にわたりタイ市場で高い信頼とブランド力を築いてきた。品質の高さや耐久性、充実したアフターサービスは、タイの消費者から高く評価されており、EVが普及しても、この信頼は揺るがない。
2. 多様な車種と幅広い価格帯
日系メーカーは、小型車から大型車、セダンからSUVまで、幅広い車種と価格帯のガソリン車を提供している。消費者は自分のライフスタイルや予算に合わせて最適な一台を選ぶことができる。一方、中国EVはまだ車種が限られており、特に大衆向けの低価格帯モデルの選択肢が少ない。
3. 充実した販売網とアフターサービス
日系メーカーは、タイ全土に充実した販売網と整備工場を持つ。購入後のメンテナンスや修理も安心して任せることができ、EVの充電インフラがまだ発展途上のタイにおいては、ガソリン車の利便性が際立つ。
4. 中古車市場の活性化
タイでは、中古車市場が活発であり、手頃な価格で高品質な日本車を購入することができる。EVの中古車市場はまだ発展途上であり、バッテリーの劣化や寿命に対する懸念も残る。
5. ガソリン車の根強い人気
タイの消費者の間では、EV車がまだ長距離走行に向いていないことや充電にかかる時間、そして充電ポイントが地方に少ないなどの懸念から、ガソリン車に対する根強い人気がある。また、EVに対する知識や理解がまだ十分でない人も少なくない。
6. 日本車メーカーの反撃
日本車メーカーもEV戦略を加速させている。トヨタはハイブリッド車を主力としながらも、EVの開発を積極的に進めており、近い将来、魅力的なEVモデルを投入するだろう。また、他の日本車メーカーもEVの開発や現地生産を強化しており、巻き返しを図る構えだ。
中国EVの台頭は脅威だが、日本車メーカーは長年培ってきたブランド力や信頼性、多様な車種、充実した販売網などを強みに、まだまだガソリン車市場で優位性を維持すると考えられる。今後は、EV戦略を加速させながら、ガソリン車の魅力を最大限に引き出すことで、タイ市場で生き残りをかけて戦うことになるだろう。
【執筆:そむちゃい吉田】
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