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フィリピンのドゥテルテ前大統領を逮捕! 麻薬対策の殺人で国際刑事裁が逮捕状
配信日時:2025年3月11日 23時00分 [ ID:10127]

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資料写真、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領 誕生日会スナップ 2017年3月28日撮影、ドゥテルテファミリー提供写真

 2025年3月11日、フィリピン国家警察は、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領(79)を逮捕した。これは前大統領が推し進め、多数の死者を出した「麻薬戦争」での人道に対する犯罪容疑で、国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出していたため。

 ドゥテルテ氏は、香港からマニラ空港に到着した直後に警察に身柄を拘束された。

 ロドリゴ・ドゥテルテ前フィリピン大統領の逮捕は、国内外で大きな波紋を呼んでいる。2016年から2022年までの任期中、麻薬撲滅を掲げた「麻薬戦争」を展開し、数千人~数万人が命を落としたとされている。この取り組みは、フィリピン国内に蔓延する麻薬問題への対策として、極端な制圧が必要だとする信念に基づいて実行された作戦だった。

 ドゥテルテ氏の政治キャリアは、ダバオ市長としての成功に支えられている。22年間にわたり市長を務め、かつて治安が悪かったダバオをフィリピンで最も安全な都市に躍進させた。マニラと違いタクシーの「ぼったくり」も皆無だ。この功績は、強硬な犯罪対策と厳格なルールの導入によるもの。

 今回の逮捕は過去の政策への批判だけではなく、現政権との複雑な政治的背景も絡んでいる。現大統領フェルディナンド・マルコス・ジュニア氏とドゥテルテ家の間には、かつての蜜月関係が崩れ、主導権争いや政策の違いが表面化していた。特に、マルコス政権が国際刑事裁判所(ICC)への協力姿勢を示したことが、ドゥテルテ氏の逮捕に繋がったと見る向きが大勢だ。

 この逮捕は、フィリピンの法治国家としての在り方や、麻薬問題への対応の是非を再び問い直す契機となる。ドゥテルテ氏の支持者と反ドゥテルテ派の間で、議論はさらに激化することが予想される。

【編集:af】

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