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ドゥテルテ派とマルコス派の対立で、政策実行が停滞するリスク高まるフィリピン
配信日時:2025年3月13日 6時00分 [ ID:10129]

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フィリピン

 2025年3月12日、フィリピンの政治情勢は、緊張感が高まっている。

ドゥテルテ前大統領の逮捕とその背景

 ドゥテルテ前大統領は、在任中に推進した「麻薬撲滅作戦」で、超法規的な殺害が多数行われたとして、国際刑事裁判所(ICC)から「人道に対する罪」で逮捕状が出て香港から帰国時に逮捕され、オランダのハーグへ移送された。この逮捕は、現マルコス大統領の政権がICCの要請に応じた結果だが、ドゥテルテ派とマルコス派の対立をさらに深める要因となった。

政治的対立と選挙への影響

 ドゥテルテ派とマルコス派の対立は、2022年の選挙での協力関係が破綻したことに端を発している。特に、ドゥテルテ前大統領の娘であるサラ・ドゥテルテ副大統領が次期大統領選挙への出馬を表明しており、両派の争いは激化。2025年5月の中間選挙では、上院議員選挙が焦点となり、弾劾裁判や次期大統領選挙の行方を左右する重要な場面となる。

フィリピンの政治体制の課題

フィリピンは共和制を採用しており、大統領が国家元首と政府首長を兼任。議会は二院制で、上院と下院がある。現状では政党間の対立が激化し、政策の実行が停滞するリスクが高まっている。

麻薬問題への対策

ドゥテルテ政権下での強硬な麻薬対策は、国内外で批判を受けたが、麻薬利用者は減少していた。マルコス大統領就任後は、麻薬利用者が増加して深刻な問題になっている。教育や啓発活動を通じた予防策、依存症治療の充実、密売組織の取り締まり強化が進められている。また、国際的な連携を強化し、密輸ルートの遮断にも取り組んでいる。マニラの治安は悪化しており日本人が狙われる犯罪は増えている、在フィリピン日本大使館からの注意喚起も多い傾向だ。

【編集:af】

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