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【ミャンマー】子どもたちの未来のために、学校教育支援(2)
配信日時:2015年11月20日 10時00分 [ ID:2772]

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休み時間の様子(2013年2月撮影)

 2015年11月20日、「中学校」で出迎える「小学生」たちの笑顔。

 先月、ミャンマーでも有数の観光地であるシャン州インレー湖上の中学校を訪れた。州都タウンジーから山道を車で1時間、湖の入り口の町ニャウン・シュエからボートで1時間、インポーコンユワティッ中学校には、人口約1,300人の周辺2村から、インダー族の生徒202名が通っている。

 中学校の入り口である船着場から高床式校舎の階段を上っていくと、上は白のシャツ、下は緑色の伝統巻スカート「ロンジー」の制服を纏った「小学生」が、「ミンガラバー(こんにちは)」と笑顔で迎えてくれた。

 ミャンマーの教育制度は日本とは異なる。ミャンマーでは、5歳に達したすべての児童が小学校入学の権利が認められているので、5歳から小学校に入学するのが一般的。ミャンマー語表記で、5歳児の「幼稚園課程」から4年生までが小学生、5年生から8年生までが中学生、そして9年生・10年生が高校生だ。

 つまり、5・4・2の計11年間が基礎教育期間となる。さらに、英語表記だと幼稚園過程を「Grade 1」とするため、ミャンマー語と英語では1学年のずれが生じる(写真:「ミャンマー教育制度」参照)。インポーコンユワティッ中学校でも廊下の学年表札は、表にミャンマー語・裏に英語学年が記載されていた。

 「中学校」に「小学生」がいるのも、同国の教育システムの特徴と言える。ミャンマーでは、小学校に小学生、中学校には小中学生、高校には小中高生が在籍している。また校舎規模や教室数、生徒数によって、学校自体が「小学校」、「準中学校」、「中学校分校」、「中学校」、「高校分校」、「高校」と教育省認可のもと昇格する制度が採用されている。

 インポーコンユワティッ中学校は、正確に言うと「中学校分校」。2011年度に日本財団支援で新校舎が建設されたことにより、小学校から準中学校に昇格した。そして、今年度からは中学校分校に昇格した。これまでは、7年生までしか受け入れられなかったが、昇格と同時に中学校最終学年である8年生のクラスが創設された。

 ミャンマーの学校では、学年毎の教室で授業が行われるのが大原則だが、先生や教室の数に余裕がない学校では複数学年が同じ教室で授業を受けているケースが少なからずあり、課題となっている。

 教育熱心なミャンマーでは、こうした教育問題の解決が住民の悲願であり、インポーコンユワティッ中学校のように、地域住民が一丸となって校舎建設やその後の学校運営に協力する地域も多い。2棟ある校舎のうち船着場が設置されている方が、2011年度に建設された中学生用校舎だ。インレー湖は環境保全のためブロックの使用が禁止されており、全て木材だけで建てられた。建設に携わった地域の人によると、大量の建築資材を小型のボートで運ぶ作業が一番大変だったそうだ。

 帰り際、湖畔の村で生まれ育った小学生たちが、実際にどのようにボート通学をしているか披露。ボートの上から元気よく見送ってくれた。

【執筆:日本財団 田中麻里】

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