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【インドネシア】投資環境は好転へーHSBC投信
配信日時:2016年2月10日 22時06分 [ ID:3073]

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インドネシアのイメージ。

 2016年2月10日、HSBC投信は、インドネシアの最近の債券・外国為替市場の動きについて、市場を取り巻く投資環境は、好転しつつあるとの見方を示した。

 HSBC投信の分析によると「インドネシア債券市場は、本年に入り上昇傾向を辿る。背景は、インフレ率の低下、利下げ、昨年10-12月期の経済成長率の加速。ルピア相場も1月中旬以降上昇傾向に。債券市場については、追加利下げ見込みなどから強気な見方を維持。外国為替市場についても、国内の景気回復期待から、長期的にルピアは上昇すると考える。

 足元、債券および為替市場は上昇傾向
インドネシア債券市場は、本年に入り、上昇傾向を辿っています。2月9日(火)の終値(JPモルガンGBI-EMグローバル・ディバーシファイド・インドネシア現地通貨ベース)は昨年12月末比+4.9%となりました(なお、昨年9月末比では+12.1%)。ルピア相場は1月中旬まではやや軟調でしたが、その後は値を戻す動きとなり、9日(火)の終値は対米ドルで12月末比+1.3%(昨年9月末比+7.6%)となりました。

 10-12月期の成長率は5%を取り戻す
債券相場好転の背景として、以下の要因が挙げられます。
(1)インフレ率の低下傾向
食料価格の値下がり、2014年11月の補助金付きガソリン価格の引き上げによるベース効果(比較ベースとなる前年の水準が高かったことによる上昇率の低下)から、インフレ率は2015年8月以降低下傾向を辿る。本年1月では前年同月比+4.1%とインドネシア銀行(中央銀行)の目標レンジ(+3%~5%)内に収まっている。
(2)本年1月に約1年振りの利下げを実施インフレ率の低下傾向を背景に中央銀行は1月14日、政策金利を7.50%から7.25%に引き下げ。
(3)外国人投資家による積極的な買い入れ日欧では緩和的金融政策が継続・強化されると見られる中、インフレ率の低下によるインドネシアの実質金利の上昇に伴い、外国人投資家からの資金流入が見られた≪5日(金)時点での外国人投資家による国債保有残高は昨年12月末比29兆ルピア(約2,400億円)増の588兆ルピア(約5兆円)≫。
(4)予想を上回る10-12月期の成長率2015年10-12月期の経済成長率は相次ぐ景気対策の効果やインフラ整備の進展などから、前年同期比+5.0%と前四半期の+4.7%からペースが加速。2015年通年の成長率は+4.8%となったが、今後はインフラ整備の拡大などから成長率の更なる加速が期待される。

 債券市場見通しは強気スタンスを維持
インドネシア債券市場について、以下の理由から強気な見方を維持しています。
(1)インフレ率の低下傾向が一段と鮮明になれば、中央銀行は追加利下げをする可能性が高いこと。
(2)相対的に高い実質金利から、海外投資家からの資金フローが継続すると思われること。通貨ルピアに関しては、国内経済の回復が期待されることから、長期的に値を戻す動きが予想されます」

【編集:Kyo】

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