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タイ国軍の徴兵はくじ引きで決定=兵役が決まると失神する者も
配信日時:2014年4月9日 17時50分 [ ID:342]

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徴兵のくじ引き前に行なわれる身体検査に臨む男性たち。

 2014年4月7日 毎年恒例のタイ国軍徴兵のためのくじ引きが行なわれた。参加者の中には有名男優2名もいたが、それぞれ兵役は免除された。

 タイでは毎年4月初旬に18歳から21歳までの男性に対して徴兵に応じる義務が課せられている。ユニークなのは、その選抜方法がくじ引きということだ。この模様はテレビでも生放送され、全土で注目される。そこには、入隊となる者と免除された者の悲喜こもごものドラマがあるのだ。

 3チャンネルに所属する有名俳優の一人ナデート・クギミヤさんは、タイ東北部コンケーンのショッピングモールで行なわれた徴兵検査には、テレビリポーターとして現れた。彼は事前に喘息のために徴兵には適さずという診断書を提出していたため、まったく違う形での参加となった。

 バンコクのプラウェート地区での会場では、もう一人、同じ3チャンネル所属の俳優マリオ・マウラーさんが、学業を理由に4回目の徴兵延期が認められた。しかし、来年の延期は認められないとして、必ずくじを引くようにと言い渡された。

 タイでの徴兵制度の象徴となっているこのくじ引き。もしも、当たりである黒紙を引いた場合は、2年間の兵役となるため、赤では飛び上がったり、踊り出したり、黒が出た参加者には失神してしまう者もいる。

 また毎年注目されているのが、第3の性なる参加者たちだ。彼(彼女)らは外見上、全く女性にしか見えないが、タイでは性転換後も戸籍の性別を変えることができない。そのため、徴兵では運を天に任せて参加するしかないのだ。しかし、その風貌が男性ばかりの軍隊内の風紀を乱すと医師が判断した場合は、兵役は免除されている。その免除証明書には完治の難しい病気を患っている、と記載されるという。数年前まではこれが精神疾患とされていたのだが、人権擁護団体などから、就職やローンの際に不利になるという抗議を受けて、変更された経緯がある。

【翻訳/編集:そむちゃい吉田】

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