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【インド】税制改革の法案成立かーHSBC投信
配信日時:2016年7月26日 13時27分 [ ID:3620]

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資料写真・長崎市旧香港上海銀行記念館(2016年6月22日撮影)日本との関係が深い。

 2016年7月26日、HSBC投信は、インド・夏季国会での物品サービス税(GST)法案成立の可能性などについてレポートを伝えた。

 インドでは現在夏季国会(通称モンスーン国会、7月18日~8月12日)が開かれており、上院で物品サービス税(GST)法案が審議される予定である(下院では昨年可決済み)。上院で3分の2以上の賛成があれば同法案は成立する。与野党間では既にGST導入に向けた協議が進められており、今国会での法案成立の可能性が高まっている。

 GSTは、これまで中央政府と各州政府がばらばらに課してきた複雑な間接税を一本化するもので、1947年のインド独立以来、最大の税制改革と言われている。

事業環境の大幅改善、経済成長率押し上げに寄与

 GST導入の短期的効果については様々な議論があるものの、長期的効果についてはほぼ見方が一致している。すなわち、GSTは、効率的な税制の構築、州間の税障壁の撤廃、企業の価格競争力向上に大きく寄与するとともに、投資及び輸出の促進を通じて経済成長率を押し上げる、というものだ。さらに、インフレ率を低下させるとともに、税収増を通じて財政収支を改善させる効果も期待される。

セクター別には自動車、消費財、物流に恩恵

 セクター別には、GST導入による間接税率引き下げが見込まれることから、自動車、耐久消費財、生活必需品関連は特に恩恵を受けることが見込まれる。また、物流セクターは、州境を越える納税手続きの廃止や輸送コスト低下の恩恵を受けることが見込まれる。他方、サービスセクターは税率の引き上げによるマイナスの影響を受ける可能性がある。

GST導入までのプロセス

 今回、GST法案が上院で可決されても、直ちに新たな税制が導入されるわけではない。同法案は、全29州のうち過半数の州議会で批准される必要がある。また、今回上院で審議される法案は、GST導入のための憲法改正法案であり、その後、細則を規定したGST法案が上下院及び各州議会で承認される必要がある。

 今回、上院で法案が可決されれば、GST委員会が設置され、税率、免税対象品目、中央政府、地方政府の税収配分などの重要項目が決定されることになる。

マーケットサマリー(株式・債券・為替市場)

 6月は、株式市場、債券市場ともに底堅い展開。米国の利上げ観測の後退が支援材料となった。通貨ルピーは対米ドルで下落、インド準備銀行(中央銀行)ラジャン総裁の任期満了での9月退任表明がマイナス要因になった。

【編集:GP】

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