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【金正男氏殺害】長男ハンソル氏がクアラルンプール入り 高額な遺体運搬費用は誰が負担する?
配信日時:2017年2月21日 9時58分 [ ID:4129]

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クアラルンプール到着を伝える現地メディア『星洲日報』

 2017年2月21日、マレーシアメディアは、クアラルンプール国際空港で殺害された金正男氏の長男ハンソル氏が20日夜、クアラルンプールに到着したとして、ハンソル氏とされる写真を掲載した。

 ハンソル氏が暗殺やマスコミへ露出するリスクを負ってマレーシア入りした理由は、父親である正男氏の検視に立ち会い、DNAを提供するなどして親族確認をした上で遺体を引き取るためと見られる。北朝鮮大使館は、遺体が金正男氏であることを否定し、検視にも反対、早期に遺体を引き渡すように再三求めるも、マレーシア政府に拒否されるなど両国が双方の対応を批判する事態へと発展している。

 もし仮にハンソル氏が親族と認められ、正男氏の遺体を引き取るとしたら問題となるのは、遺体の運搬費用である。海外で死亡した外国人を、遺体のまま本国へ運搬する際には、伝染病等の問題で貨物扱いできないため、旅客機へ乗せることができない。そのため、多くの国では、専用のチャーター機を手配して搬送する必要があるのだ。記憶に新しいところでは、昨年7月1日にバングラデシュで発生し日本人7人を含む外国人22人が犠牲となったダッカ・レストラン襲撃人質テロ事件で、日本政府は、犠牲者を日本へ運ぶために政府専用機を出して、羽田空港で岸田外務大臣らが迎えている。

 ちなみに遺体を荼毘に付す習慣がある国であれば、現地で荼毘に付して遺骨にすれば貨物として旅客機へ乗せることができるため安く搬送でき、遺体の引き渡し期間も大幅に短くすることができる。

 ハンソル氏や正男氏一族がチャーター機を手配するほどの費用を負担できるとは考えづらく、もしチャーター機を手配するなら一体誰が費用を負担するのだろうか。

【執筆:中野 鷹】

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