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【金正男氏殺害】ネット上で噂が広まっている影武者説 根拠は写真に写っているはずの入れ墨?
配信日時:2017年2月23日 11時21分 [ ID:4149]

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ツインタワーでは世界1の高さを誇るクアラルンプールのペトロナスツインタワー(撮影:中野鷹)

 2017年2月23日、マレーシアで発生した金正男氏殺害事件についての報道が、連日トップニュースで伝えられているが、日本の「2ちゃんねる」のような掲示板や「YouTube」などでは、この事件についてのある噂が飛び交っている。

 金正男氏は生きている。殺害されたのは、正男氏の影武者だ。この噂の根拠の1つとして挙げれているのは、メディアに公開された襲撃を受けた直後、医療室での1枚だ。すでに意識を失っているのか目を閉じて、右手を上げて、腹を出した姿は世界へ衝撃を与えた。

 この写真のどの点が問題になっているかと言えば、少し見えている腹にあるものがないことだ。あるものとは、金正男氏が全身に彫り込んでいるとされる入れ墨だ。

 2001年5月に偽造パスポート所持の容疑で、日本で拘束されたときに金正男氏は身体検査を受けている。そのときに背中を覆うような大きな龍の入れ墨があったことが記録に残っている。そのことも、父親である金正日総書記を激怒させたとも言われる(朝鮮儒教的な価値観では入れ墨は好ましくないものとされているため)。

 それから12年ほど経過した2013年フジテレビの記者へ本人から送ってきたとされる写真には、体の正面側にも大きな入れ墨を彫り込んだ金正男氏と思われる男性が収められていた。一緒に写っている上半身裸の男性たちも同様に入れ墨を入れていることが分かる写真だ。
 
 この写真の金正男氏と思われる男性をよく観察すると確かに腹から下腹部にかけても入れ墨があることが確認できる。それが、襲撃後の写真にはないのだ。これが影武者説の大きな根拠となっている。

 しかし、そもそも入れ墨が本物ではなく、シールやペイントの可能性も捨てきれない。昨年、国王に即位したタイのワチラロンコン新国王も全身入れ墨だらけと思われていたが、実はペイントだった。現在のペイント技術は本物と見間違えるほど精巧なものになっている。

 では、影武者の存在についてはどうか。金正男氏の父親の金正日総書記も5人から15人の影武者がいたことは、『金正日の正体』(重村智計・講談社)などでも紹介されている。金正男氏についても、19日に作家の竹田恒泰氏が自身のフェイスブックで、「真相は不明だが、殺されたのは正男の影武者ではないかとの指摘がある。 正男は腹に大きな刺青をしているとされる。だが地元紙が掲載した、ぐったりと倒れた正男の写真を見ると腹に刺青がない。私がマカオで彼を見かけた時は影武者と2人だった。(原文ママ)」と正男氏の影武者について言及する内容を投稿している。

 それこそ真相は不明だが、いずれにしてもDNA判定の実施が待たれる。 


【執筆:中野 鷹】

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