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【タイ】医食同源 第3回 タイハーブ「マンゴー」
配信日時:2014年5月16日 17時30分 [ ID:456]

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屋台で気楽に買えるマンゴースティック(約60円)ミネラル補給に最適。

 東京では、明日から毎年恒例のタイフェスティバル(代々木公園)が行われます。数え切れないほどのタイ料理ブースやタイからの人気アーティストのパフォー マンスなどに、例年30万人以上が訪れるという盛り上がりです。イオンやミニストップでもタイフェアが大人気。中でも、マンゴーの関連デザートはいっそう 目を引きます。日本のスイーツの中でも定番になりつつありますね。

 タイ語で「マムアン」と呼ばれるマンゴーは、60種類以上もの品種があると言われています。日本に輸入されているタイ産マンゴーは、中でもその甘さとなめらかな食感が日本人に好まれる「ナムドクマイ」という品種が多いです。「ナムドクマイ」とはタイ語で「花のしずく」という意味。その姿は、南国の太陽をたっぷり浴びた、まさに黄金色の花のしずく、という感じですね。

 熟した黄色いマンゴーはココナツととても相性がいいので、ココナツアイスと一緒に食べるのがおススメです。もち米と一緒にココナツミルクをかけて食べる「カオニャオ・マムアン」は、外国人にも大人気。砂糖と煮詰めた保存のきく「マムアン・グアン」やドライマンゴーなどもよく食べます。

 そしてタイでは、マンゴーは黄色いものだけでなく、青いものも食べるんです。むしろ青いほうがより好まれるくらいです。青マンゴーは酸味があるのが特徴で、揚げ物の付け合せやサラダとして食べたり、スライスして「カピ」と 呼ばれる海老から作った塩辛い味噌や、唐辛子と塩と砂糖の混ぜ合わせたもの(甘辛しょっぱいです)をつけて食べます。

 タイでは、ちょうどこの5月は青マンゴーが最も美味しい季節です。休憩時間になると、だれかしらが手作りの「カピ」と青マンゴーをふるまいます。仲間に声を掛け合い、青マンゴーをむく人、食べる人、辛さと酸っぱさでシーシー言う人で自然に人の輪が広がっていきます。私の職場、ワットポー寺院タイ伝統医学校でも同様で、皆この時間が大好きです。青マンゴーを一人で食べるなんてありえない、とばかり。「同じ釜の飯を食べる」ように、「同じカピで青マンゴーをほおばり」笑顔が飛び交います。

 マンゴーについて、とあるタイ人医師は「マンゴーで医者知らず」とも表現しています。それもそのはず、マンゴーはビタミンAを豊富に含み、免疫力を高める働きがあると言われています。青マンゴーはその酸味により、胃腸の調子を整えたり、血液の浄化作用や生活習慣病予防にも効果が期待できるとされています。

 マンゴーは身体に良いだけでなく、「分かち合い」の豊かな心の交流もはぐくむ、素晴らしいタイの智慧(ちえ)を感じさせるタイハーブなのです。



【タイ医学研究家:宮原由佳(YUTIKA)】

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