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フィリピン「八戸学院カーテル高等学校」日本語授業開始ー IT人材日本就業プログラム9月スタート
配信日時:2018年7月8日 9時15分 [ ID:5142]

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八戸学院カーテル高等学校(フィリピン・ターラック州サンマニュエル市・2018年7月4日撮影)

 (2018年7月4日取材)、学校法人光星学院・八戸学院(青森県八戸市)とフィリピンの教育財団が共同運営する中高一貫校「八戸学院カーテル高等学校」(フィリピン・ターラック州サンマニュエル市・2018年6月開校)で、日本語授業が行われている。

 外国人のための日本語学習本「みんなの日本語」をベースにした、手作りの独自教材を使用し、熱い授業が行われている。日本での進学や就職を視野に、真剣に学ぶ姿が見られる。サンマニュエル市は地元での就業機会の少ない地方都市で、日本への期待も強い。

 日本語の授業は、日本の中学3年生にあたるGrade9から始まり、週3時間4年間学習する他、課外活動として日本製マイコンを使ったプログラミングクラスや、柔道・書道などの体験教室も開く。NPO法人柔道教育ソリダリティー(代表 山下泰裕氏)から柔道着(50着)や畳が寄贈される予定だ。日本人教諭1名、日本人アシスタント1名、フィリピン人日本語教諭1名が、日本語と日本文化の学習を担当する。

 この他に、今年9月から開始する日本就業プログラムは、フィリピンのIT大学に通う優秀な学生に、6カ月間・毎日8時間の日本語の授業を合宿方式で行うもの。奨学金60万円(授業料・宿泊飲食費)は、就職内定先の日本企業(八戸学院グローバルクラブ会員社)が負担する。一定期間就労したら返済義務は免除される。既にフィリピンの6つのIT大学と提携しており、6カ月間の集中的な日本語学習で日本語検定N4を目指す。定員は最大20名。とかくトラブルの多い日本の外国人技能実習制度と大きく異なり、フィリピンの優秀な学生を日本の中小企業が確保しやすい画期的なシステムだ。

 八戸学院 井坂浩章 国際教育局フィリピンセンター長(CNE1グループ共同代表)は、教育を軸に両国の課題解決を目指し、持続可能な大規模な構想を掲げている。シリコンバレーのミニ版、マンゴーバレー(ITパーク)計画は、教育機関を中心にIT会社(ICチップの個人データ入力作業)を設立。(セキュリティ強固な工場を建設中)地域の雇用促進に繋げるというもの。キャンパス地域を経済特区化して日本企業の進出を後押しするなど。安倍政権の外国人労働者受け入れの方針ともマッチしておりプロジェクトへの関心が高まっている。

 サンマニュエル市は、拡張整備が急ピッチで進むクラーク空港(ジェットスターが、関西―クラークを結ぶ初の直行便を週3便*運航)から、1時間の距離。クラークは特別経済区でクラークグローバルシティ計画も進んでおり、また200万人の大都市、ニュークラークシティ構想も着工している。

*2018年夏ダイヤ(3月27日~10月27日の期間)の便数

【編集:Roselyn Bacaycay】

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