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【タイ】寝たきりの両親を養う10歳の少年が話題に=将来は軍人となって国を守りたい
配信日時:2014年6月5日 19時32分 [ ID:569]

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寝たきりの母親を世話する少年。学校と家事と仕事で、子どもらしく過ごす時間は全くないが、何一つ不満に思っていないという。

 2014年6月4日、タイ字紙が、ある一人の少年について報じた。タイ北部スコータイに住む10歳の少年は、学校に通いながら、寝たきりの両親の世話と家事すべてをこなし、働きながら一家を養っているという。

 少年の両親は、母親が2007年に交通事故で下半身が麻痺。上半身は動かせて話もできるが、今も自力で起き上がることはできない。また父親は、それより早く10年間全身麻痺のために寝たきりで話すことも不自由なために手話で会話している。

 少年はこの10年、寝たきりの両親を養うために彼のすべての時間を惜しみなく使っている。朝、朝食を作り、家の掃除をする。両親に食事を食べさせたら、学校へ行く。昼休みには両親に食事させるために帰宅。そして、放課後や休日には建設現場などで生活費を稼ぐために仕事をする。仕事が終わった後、帰宅しても、少年に休む時間はない。両親と自分の食事を作り、食べさせる。

 近くに住む同じ年ごろの子どもたちはその時間、自由に遊んでいる。しかし、少年は他の子どもたちのように遊べないことを全く気にしていないという。またこうした毎日の生活にも疲れることはないと健気に語る。そして、将来は何になりたいかという問いに、少年は、兵隊になって国を守りたいと答えた。

 母親は、彼に子どもらしい生活を与えることができないことを、非常に残念だと語る。しかし、強い子に育ってほしいと願っているという。

 少年の通う学校では、家庭の窮状をよく知っており、給食費や学用品の購入費を支援している他、収入の足しになるように仕事の紹介をしている。さらに、専用の銀行口座を設けて、少年のためにタイ全土から募金を募っている。


【翻訳/編集:そむちゃい吉田】

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