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【ミャンマー】牧師ら4人刑事訴追 新型コロナのクラスター化 宗教対立招く結果に
配信日時:2020年4月17日 8時15分 [ ID:6314]

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テレビ会議を公開して積極的に情報発信するアウンサンスーチー氏(同氏の公式フェイスブックアカウントより)

 2020年4月14日、ミャンマーのヤンゴン管区政府は、多数の新型コロナウイルス感染者を出した集会を主催したとして、キリスト教指導者のデビッド・ラー牧師ら4人について、警察当局が自然災害管理法違反で刑事事件として立件したと発表した。仏教徒が多数派のミャンマーで、少数派のキリスト教徒はこの刑事訴追に反発しており、宗教対立をあおる結果となっている。

 ラー牧師らは3月から4月、キリスト教の集会をヤンゴン北部で複数回開催。地元メディアによると、集会に参加したか、参加した人と接点があった人の中から、20人以上の感染者が見つかっている。ラー牧師も陽性が確認された。これを受け、警察当局は刑事事件として立件することを決め、現在隔離されているラー牧師らが退院し次第、司法手続きを進めるとみられる。

 ラー牧師の集会の様子は、フェイスブックの動画などで拡散。「キリストを信じれば感染しない」という説法や、マイクを使いまわして歌を歌う様子などが投稿され、多数派の仏教徒を中心として「集会の自粛が求められている時期に無責任」などと批判が巻き起こった。一方で、宗教行事を刑事事件化することは仏教徒の横暴だとする声がキリスト教徒側からあがり、フェイスブックのコメント欄などが宗教対立の様相を呈して炎上状態となった。

 こうした対立を受け、ミャンマーの事実上の最高指導者であるアウンサンスーチー国家顧問兼外相は、ヤンゴン管区や警察当局の強硬姿勢を「遺憾だ」とコメントして収拾を図った。国民が団結して、新型コロナウイルスに立ち向かうように訴えている。

 ミャンマーでは多数派のビルマ族を中心として上座部(小乗)仏教が盛んだが、カレン族やチン族、カチン族など一部の少数民族にはキリスト教を信仰する人も多い。2014年に行われた国勢調査では、仏教徒が約87%、キリスト教徒が約6%、イスラム教徒が約4%となっている。

【取材/執筆:北角裕樹】

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