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【コラム】「剣が君」⇒「剣が刻」パクリをパクリと言わせないのは、もはやお家芸 中国
配信日時:2022年2月17日 6時00分 [ ID:7835]

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剣が刻 WEBページから

 2022年2月弊社に匿名の告発状が届いた。ゲームをする人にとっては、かなり有名な「剣が君」(日本のRejet社開発)。このゲームにインスパイアされたというか、この作品の制作人や声優たちが再集結して「剣が刻」というゲームが作成された。告発状によると、契約書など書類の内容は明かせないのだが、中国の会社(ネットをググれば会社名は出てくる)に販売を委託した。しかしこの会社がまだまだ小さかっただめに、中間にTという日本政府との友好関係のある大手広告代理店が入った。つまり3社の中で、いろんな契約が交わされたことは硬くない。Tという会社の立場からしたら、ゲームの一つくらいの問題でガタガタ言うな、なのかもしれないし、そんな契約していましたかレベルなのかもしれない。

 「剣が刻」は、中国でも大ヒットしている。しかし、Tじゃない方の会社のやり方がとても杜撰で、そのやり方について中国のゲームユーザーは、ウェイボの中で何度も炎上させているそうだ。この小さな会社は、製作元である会社に対して、製作費は支払っている模様だが、利益配分は行っていない。さらに、著作権や肖像権は自社にあると訴えている。

 その上で、ファンが熱望してやまないセカンドシーズンやサードシーズンなどの続編を、日本の会社の横やりで制作できないことを発表している(この前日、日本の会社は、続編がないことを告知している。日本人特有の精神「負けるが勝ち」。不毛な争いを中国の会社とすることもなく、ファンのために新たな作品を生み出すという決意である)。繰り返すが、日本政府と関係の濃いT社の存在もそれは大きい(昨年、民営化した日本郵政を買い上げたという噂のある大きな会社だからだ)。

 Rejet社のWikipediaには、「剣が君」を制作したという記載はあるが、「剣が刻」については触れられていない。これが中国に対する大人の対応ともいえる。

 匿名の告発者は、すべてのやりとりについて、事細かに記載してきた。契約書は添付されていない。しかし、ある事実があった時に、Rejet社の社員がどのような行動をとって、憤ったかまで詳細に書かれている。

 Wikipediaだが、Rejet社も存在するし、T社も存在する。だが「剣が刻」の所有権を主張する会社のものは、日本版にはない。ネットで見ると、人のよさそうな日本支社の取材記事をいくつか見つけることができただけだ。

 ゲーム開発は、ごくわずかの関係者でできるものではない。日本支社の人間だけで、「剣が君」に類似したキャラクターを生み出すことができる。よしんば、キャラクターやストーリー、音楽などの制作面を、Rejet社に委託したのならば、それは明確にしなければならないだろう。弊社も調べたが、3社の関係性はほぼ見つけることができなかった。真実は、もしかしたら、ゲームユーザーの方が詳しいのかもしれない。

 韓国のゲーム会社が製作したゲームを、中国の会社がパクったと訴えている。昨年韓国のゲームは1~2本しか中国市場に進出していないから、パクられたらすぐにわかる。

 日本であれ韓国であれ、自国のクリエーターがとてもがんばって作ったゲームが中国に入った途端、中国オリジナルですよ、にされるのは、意外と中国あるあるなのだ。

 パクられたくなかったら、利益配分をバックられたくなかったら、契約の前に、国際法に照らし合わせて著作権登録をしておくべきだ。それから、砂漠で虫ピンを探すくらいに細かすぎる契約書を交わして、これも日本における法務局のような国際的機関に託す。

 まあ、そんなことをしても、2~3日で国際的法を踏んだとて、中国はパクる。なぜなら、中国4000年の秘法だからだ。「剣が刻」ユーザーは、どんどん炎上してくれたまえ。

【編集:fa】

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