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【コラム】コロナで命を落とした兵士が、戦死とされる
配信日時:2022年8月2日 6時00分 [ ID:8238]

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朝鮮中央通信日本語版WEBページから

 韓国の文前大統領が任期を終えると同じころだった、北朝鮮に、世界の流行から遅れて、新型コロナ罹患者が登場したのは。簡単に推測できるように、北朝鮮国民が容易く手厚い医療を受けられるはずもなく…家庭薬とされるアヘンで命を落とす者もいた。闇ルートで中国から入ってくる「本物かどうかわからない」鎮痛解熱薬に全財産をはたいた国民もいる。そして、そんな状況でもあるのに、北朝鮮のコロナ患者は、高熱を出さないと、国が発表している。何度で高熱なのか…水銀体温計では測定不能な43度以上なのかな。だからいないのかな。

 そして、2022年7月。4月の大規模な軍事パレードが要因とみられるコロナ罹患者となった軍人であり、死亡した者に、特例として「戦死証明書」が出されるとなった。

 日本では、数日でうつってしまうが…4月26日にパレードが行われて(その前からの準備もあるだろうに)、5月9日の文前大統領の任期まで、症状を出さなかった、北朝鮮兵士は、かなり「ウイルス対策」がしっかりしていると思われる。

 …「戦死証明書」はあくまでも、4月26日に参加した者に限られる。間違ってその前に、原因不明の高熱など新型コロナ症状が出て亡くなった兵士や、参加していない兵士で27日以降に症状が出たものは対象外だ。

 このような「戦死証明書」は、南北間の非武装地帯で「時折(どんな条件なのだろうか)」起こる小競り合いで死亡したなど、勇猛果敢に戦ったことを称えて与えられる。本当に極めて稀なものだ。

 今回のパレードには、10万人以上の軍人や兵士、ビョンヤンの軍事大学の学生も加わっている。27日以降、雪崩式に、亡くなっていった。あまり遺骨を大切にする文化がない北朝鮮において、その遺骨返還を求めた家族に授与されるという。正直、焼かれた骨は、DNA鑑定を綿密に行わなければ、家族の「家族」なのかどうかは、わからない。

 一応、受け取った家族には、食糧の配給が増えたり、党の役員に応募する際に優遇されたり、政府の仕事の試験でも下駄を履かされるらしい。約3カ月弱、そんな特別扱いされたということはなく、この「戦死証明書」は口止めの証の状態になっている。

 戦ったのは、「いくさ」ではなく、病気ではないのか。食料の配給もさることながら、医療が優先的に行われること…そんなことになったら、クーデターが現実味を帯びてしまうか。

【編集:fa】

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