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【COP27に合わせて】気候変動と貧困について知っておきたい10の事実
配信日時:2022年11月18日 12時00分 [ ID:8503]

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https://www.worldvision.jp/childsponsor/ 加藤早紀さん 写真提供:国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン

 COP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)が11月18日に、13日間の会期を経て閉幕しました。気候変動の影響により、今後10年間で、新たに1.3億人が貧困に陥る恐れがあると、世界銀行は推計しています。

 気候変動に関心が高まる今、ぜひ、気候変動と貧困の関係に目を向けてください。10の事実をご紹介します。

1:気候変動の影響は平等ではありません。
気候変動による負の影響は、日々の暮らしを天然資源に頼っている低所得国や、貧困の中で暮らす人々にとってより深刻です。

2:気候変動は飢餓を悪化させます。
世界中で飢餓に苦しむ人々の8割は自然災害の影響を受けやすい地域で生活しています(WFP)。貧困に苦しむ成人の65%の生計手段は農業。収穫が減ると、家族は空腹に陥ります。

3:気候変動によって、水を確保することが難しくなります。
気候変動に伴い発生頻度が増加している干ばつや、降雨パターンの変化・降雨量の減少によって水を確保することがより難しくなっています。

4:気候変動によって、健康を守ることが困難になっています。
食糧不足による栄養不良、異常気象による死亡・けが、安全でない水が引き起こす下痢症が健康を脅かしています。気温や降水量の変動によってデング熱など虫が媒介する病気が発生する範囲が広がる可能性もあります。

5:気候変動は生計を立てることを困難にしています。
農業で生計を立てているコミュニティに、気候変動は壊滅的な影響を与えます。
ワールド・ビジョン・ケニアの災害対応の責任者であるゲルション・マワカジは、干ばつがコミュニティに与える影響に心を引き裂かれる想いだと述べています。
「21世紀の今、すべてのお母さんと子どもたちが、尊厳のある人生を生き、十分な食糧を手にすることができるべきなのです」
彼は続けます。「気候変動によって家族たちが困難にさらされていることを目撃することは、とても心が痛みます」

6:気候変動によって住む場所を追いやられる人々がいます。
異常気象によって2020年に3000万人が家を追われました(WFP)。この人数は暴力や紛争によって家を追われた人数の3倍以上にあたります。家や安全がなければ、子どもたちは虐待や暴力にさらされるリスクが高まります。

7:気候変動によって学校に通えなくなる子どもがいるかもしれません。
家族が収入や食糧や水の供給源を失ったり、家を追われた場合、子どもの教育は低い優先順位になってしまうことがしばしばあります。

8:気候変動に対応すること、回復することには大きな費用が必要です。
所得が低いコミュニティは気候変動によって最も大きな打撃を受けることが多いだけでなく、強力な経済基盤がなければ、気候変動による緊急事態を防ぎ、回復することはより困難になります。

9:気候変動は不平等を強めます。
貯蓄がなく、すでに家計のやりくりが難しい家族は、干ばつ・洪水・嵐によって作物が収穫できなくなったり、家畜が死んだ場合、必要以上に不利な立場に置かれます。
一方で、気候変動をビジネスチャンスにする人もいます。

10:気候変動には、みんなで一丸となって取り組みましょう。
気候変動は、今日世界が直面する最大の課題のひとつです。

 1人で解決できる問題ではありません。
しかし、すべての人・すべてのコミュニティ・すべての国が一緒に取り組むことで、未来をより良くすることができます。

 ワールド・ビジョンは、皆さまからのご支援で2021年に、29カ国の790万人の人々に食糧支援を届け、300万人に安心して使えるきれいな水を提供しました。子どもたちが将来のために学びを続けるための支援活動も展開しています。

 私たち一人ひとりには、何もかもはできません。しかし、私にもきっと何かはできる、という想いを持って、手を取り合い、一緒に歩むことでよりよい未来を築くことができます。

 ワールド・ビジョン・ジャパンは、チャイルド・スポンサーシップによる支援を通じて、子どもたちが未来を拓くための活動を行っています。

【執筆:特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 広報担当:加藤早紀】

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