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BMWアイス配布拒否事件、中国人コンパニオンの些細なミスで、不買運動
配信日時:2023年4月27日 9時00分 [ ID:8877]

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中国BMW

 上海モーターショーで、独BMWが来場客にふるまったアイスクリームの無料配布で、外国人と中国人に異なる対応があったとして、中国のSNSに批判の投稿が相次いだ。BMWは謝罪したが、一部の中国人は不買運動を呼びかけたり、抗議のためにBMWの車を売却したりするなど、怒りを収めない様子だ。

 事件は4月18日から開催された上海モーターショーで起きた。BMWは自社ブースで、来場者にアイスクリームを配布する企画を行っていた。しかし、中国人コンパニオンが外国人来場者にはアイスクリームを渡す一方、中国人来場者には「在庫がない」と言って断ったという。

 この様子を目撃した中国人男性がSNSに動画を投稿し、「BMWは中国人差別だ」と非難した。この動画は瞬く間に拡散され、多くの中国人ネットユーザーからも「BMWは中国市場を軽視している」「BMWを買わない」「BMWを売ろう」といった批判や抗議の声が上がった。

 BMWは20日に公式ウェイボ(微博)で謝罪文を発表し、「アイスクリームの配布に関する不適切な対応について深くお詫び申し上げます。私たちはすべてのお客様に平等にサービスを提供することを約束します」と述べた。また、事件の原因はコンパニオンの個人的なミスであり、BMWとしては差別的な意図はなかったと説明した。

 しかし、この謝罪文は中国人ネットユーザーからも不満や不信感を招いた。一部のユーザーは「コンパニオンのせいにするな」「謝罪ではなく賠償しろ」「BMWは中国から出て行け」といったコメントを残した。また、実際にBMWの車を所有している中国人も少なくなく、中には抗議のために自分の車を売却するという極端な行動に出た者もいた。

 この事件は、中国では敏感な「国家主義」や「愛国心」に関わる問題として捉えられている。中国では過去にも外国企業が中国市場で失敗したり、不買運動に遭ったりするケースが多く見られる。例えば、2018年には独メルセデス・ベンツがダライ・ラマ14世の言葉を引用した広告を出したことで、中国政府や国民から強い反発を受けて謝罪した。

 これらの事例からも分かるように、中国では外国企業が中国の政治や文化に関する敏感な問題に触れると、国民の反発を招きやすい。また、中国人は自国の発展や地位に誇りを持っており、外国人からの差別や侮辱に対しては強く反発する傾向がある。このような背景から、BMWアイス配布拒否事件は中国人の感情を傷つけたとして、大きな騒動に発展したと考えられる。

【編集:LF】

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