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【コラム】そのお酒を準備したのは、いわゆる殺人ですかー中国
配信日時:2022年6月15日 6時30分 [ ID:8051]

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中国酒イメージ

 2022年3月下旬、中国四川省で葬式が行われた。そして、その際に振舞われた酒を飲んで、4人が死亡した。

 死因は、飲んではならない「アルコール」を飲んでしまったからだ。アルコールにも飲用のものもあれば、コロナ禍の各所でよく見かける消毒用エタノールもある。

 日本では戦後「バクダン」と呼ばれるとても安い酒があった。毒性のあるメタノール(メチルアルコール)にエタノールを混ぜたもので、ややピンク色をしている。アルコール濃度が高いのですぐに酔うことができる。しかし「バクダン」の名のごとく、目が爆発する勢いで見えなくなり、中毒死に至るものだ。心臓すら爆発させる威力のあるアルコールだ。

 東日本大震災直後~2時間以内だろうか、大勢の人であふれたコンビニで、男性の多くが、たばこと酒を買っていた。女性たちが食べ物を買っているのとはとても対照的に。コンビニやスーパーなど物が入らず閉店すると、通常では「高い」と言って見向きもしない個人経営の酒屋の裏に回って、少し上乗せして酒を買っていた。

 人が死んだときは、いく晩もお通夜と称して、普段は付き合いもないご近所が集まって酒を飲む。葬祭会館での葬儀がメインになって、さらにコロナ禍で気軽に誰でも行ける状況でなくても、酒がないと暴れる身内はいる。

 日本でもそうなのだから、中国も、きっとそうであろう。多くの文化の源は中国だったりするから。

 この葬儀の喪主は、アルコール燃料を大量に買ってきて、台所に置いていた。広くはガソリンや灯油も燃料には含まれるが、凶器になったのは、メタノールだったらしい。

 このアルコール燃料は、見た目にはそれとわからなかった。だから、お給仕する者が徳利に注いで客に出した。見た目にわからないというのは、パッケージが意図的に外されていた可能性もある。

 味が違うと感じた者もいたようだが、中国発祥の蒸留酒と思った者もいた。正確な死因は、メタノール中毒。4人が死んだだけでなく、13人が今も病院で治療中だ。のどや胃が焼け、肝臓にも重い障害が残るだろう。

 原因は調査中だが、葬式に集まるメンバーに何らかの恨みがあった…闇を感じる。

【編集:fa】

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