ワールドのニュース

韓国でトコジラミが大量発生、日本も警戒を強める
配信日時:2023年12月3日 8時00分 [ ID:9400]

このエントリーをはてなブックマークに追加

写真をクリックすると次の写真に切り替わります。

イラスト

 2023年12月3日、韓国でトコジラミが大量発生しているとの報告が相次いでおり、日本でも警戒が強まっている。トコジラミは人の血を吸って繁殖する害虫で、皮膚炎やアレルギーなどの健康被害を引き起こす可能性がある。特に、航空機や空港などの人の移動が多い場所では、トコジラミの侵入や拡散のリスクが高いとされる。

 韓国でトコジラミが猛威
韓国政府は、11月13日から12月8日を集中点検・防除期間とし、関連部署と地方自治体は実効性のある点検・防除を進めるため施設の管理者などと協力し、週間単位で点検の計画を立てると発表している。

 特に、ソウル市では、トコジラミの発生件数が89件に上り、その半分近くがコシウォン(もともとは受験生が試験勉強に集中するための宿泊施設、現在は受験生や学生に限らずさまざまな人が利用している)で発見されたことが分かった。ソウル市は、市内のコシウォン4852カ所に職員を派遣し、トコジラミ発生の有無について調査する方針を示した。

 日本もトコジラミに注意
韓国でのトコジラミの大量発生は、日本にも影響を及ぼしている。日本では、'05年頃から害虫のトコジラミによる皮膚炎が確認され、'15年から’19年まではどんどん増えてこれは大変なことになる、と思われていた。その後、新型コロナで人の移動が制限されたため流行は一時的に止まった、コロナが5類になり再び増加している。

 航空業界も警戒を強めている。トコジラミは人の血を吸って繁殖を繰り返すため、航空機内でも繁殖の可能性がある。旅行者が持ち込んだトコジラミが航空機内で繁殖し、他の旅行者に被害を及ぼす可能性が高い。

 航空会社は、航空機内の清掃と消毒を強化し、トコジラミの侵入を防ぐための対策を講じている。また、旅行者に対しても、自身の荷物にトコジラミが混入しないよう注意を呼びかけている。フィリピン最大の航空会社セブ・パシフィック航空では、「客室内の清潔さと水準を保つことを重要視しています。そのため、弊社では客室メンテナンス専門チームを置き、害虫駆除および消毒を行うサービスプロバイダーと提携しています。さらに、客室清掃および追加メンテナンスを担う複数のサービスプロバイダーとも提携しています。上記に加え、14日間ごとに害虫駆除と消毒を実施しています。11月30日現在、トコジラミが弊社機材から発見されたという報告は受けておりません。」と伝えている。

 会社退職後、世界旅行をした正昭氏は、「南京虫(トコジラミ)には、10年くらい前に、バンコクと台湾で、やられました。かゆみもありましすが、気持ち悪い斑点が沢山出て、暫くは、消えません。皮膚科にも行きましたが、塗り薬を貰っただけです。大変駆除が難しく、布団等は高温で、長時間殺菌しないと、だめ見たいです。親虫が死んでも、卵がなかなか死なないので、忘れた頃にまた出て来るそうです。」と話す。

 トコジラミの予防と対処法
トコジラミは、ジメジメした暗い場所を好むため、毎日の換気と掃除は必須である。また、旅行先や宿泊施設では、ベッドやマットレス、カーペットなどにトコジラミがいないか確認し、荷物にトコジラミが付着しないようにすることが重要である。

 トコジラミに噛まれた場合は、まずは冷やして炎症を抑える。かゆみがひどい場合は、市販のかゆみ止めや抗ヒスタミン剤を使用する。皮膚がただれたり、発熱や全身倦怠感などの症状が出た場合は、医療機関を受診することが望ましい。

 トコジラミの大量発生は、日本だけでなく、世界中の旅行者と航空業界にとって深刻な問題となっている。今後も状況を注視し、必要な対策を講じていくことが求められる。

【編集:af】

ワールドの新着ニュース