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【タイ】コロナ渦でも『日本食レストランは、タイ全土で出店増加』
配信日時:2022年1月3日 7時00分 [ ID:7755]

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デリバリーを利用して、タイ人客の取り込みにも成功した人気店もある

 2022年1月、ジェトロ(日本貿易振興機構)バンコク事務所の調べによると、新型コロナ渦にあっても、タイ全土において日本食レストランの出店が増加し、4,370店になったことが分かった。しかし、バンコク都内の店舗は昨年より減少した。

 ジェトロバンコク事務所が2021年9月から12月にかけて、日本食レストランについて調査。調査方法は、各社ホームページ、Facebookページ 、関連する新聞マスコミ報道と電話取材で行った。対象店舗としたのは、日本食または日本風にアレンジされた料理を提供する店、日本食メニューの比率が50%以上であること、客席のある外食店舗。ただし、デリバリー専門店は対象外とした。

 調査の結果、タイ全体では2020年が4,094店だったのに比べて、2021年は4,370店と276店増加した。しかし、バンコクでは2,105店から2,073店に減少しており、地方への普及が一層進んでいることがうかがえた。店舗形態や料理の内容も、寿司店やファミレスタイプのフジレストランや、やよい軒などのほか、居酒屋、ラーメン店、丼物、焼肉、蕎麦うどん、喫茶店や鉄板お好み焼き店など、日本と変わらないバリエーションが豊富だ。また別の調査では、タイ人の8割が月に一度は日本料理を食べると回答しており、タイで日本食は完全に定着している。

 こうした流れは、タイでの日本ブームがきっかけになったこともあるが、かつてバンコクの日本大使館において世界中の大使館に派遣するために、多くのタイ人料理人を養成した事もつながっている。彼らが任期を終えて帰国して、自らの故郷に出店するということも要因の一つとして考えられる。

 また、客単価で最も多かったのは、バンコクも地方も101〜250バーツ。地方では100バーツ以下が2番目だったことから、安価にアレンジされた日本料理が多くなっているようだ。実際これまでもお祭りやイベントなどで、一貫5バーツの握り寿司やタコの代わりにイカやカニカマなどを具材とした、たこ焼きなどの屋台がどこでも見られるようになっているほか、日本からスシローも出店した。

 新型コロナ渦下での増加については、デリバリーがバンコクのみならず、地方の都市部でも普及したことが大きな要因と考えられる。また、レポートでは、最後に日本食の今後の見通しとして、日本食の楽しみ方が特別な日などに利用することから、日常食としての利用が増え多様化していること。よりタイ人の嗜好や食文化に合わせたアレンジの、日本食が増える一方で、日本そのものを感じられる本物志向の店も増えて、二極化が進むことが予想されている。

【編集:そむちゃい吉田】

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