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【コラム】こういう銅像は、必要でありありがたい 台湾
配信日時:2023年5月13日 6時00分 [ ID:8898]

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台湾・基隆市和平島 WEBページから

 台湾もまた、日本が統治していた時代がある。他国に「日本人になれ」と言われ辛い思いをしたことも多々あったと思われるが、どこかの国のように「恨」はない。謝罪も求めず、賠償金も求めず。統治時代の古い建物が残る路地では、ご老人たちが、日本語でわらべ歌などを歌ってくれる。

 たびたび書いているが、東日本大震災の時、どこよりも早く救助にきてくれ、義援金も寄せてくれた。それで感謝を要求することもなく…今、トルコやシリアを同じように救っている。慈愛に満ちた国、台湾=中華民国。

 統治時代1905年。今から118年前。現在の台湾・基隆市和平島は、社寮島と呼ばれていた。ここに沖縄出身の漁師たちの集落があった。その数500人余り。その歴史を台湾の人は忘れなかった。2011年奇しくも東日本大震災の年に、「琉球ウミンチュの像」(琉球漁民慰霊碑)として、銅像が建てられた。もりを持って魚を捕まえようとする姿が像のモチーフ。

 それからだって、まだ12年しか経っていないのに、風雨で欠損した部分ができたということで、新しく立て替えられることになった。ありがたい。沖縄でなく、琉球、ウミンチュ。台湾は、きちんとその時代に生きていた人、言葉を大切にする。

 台湾人は、受けた恩は石に刻め、かけた情けは水に流せ、そのままの国だなと思う。日本も見習わなければならない点が、台湾にはある。銅像って、建てれば建てっぱなし、世界中由来など関係ない場所にも建てればいいってもんではないことを教えてくれる気がする。

【編集:fa】

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