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優秀な看護師ほど海外就業を希望するフィリピン「新型コロナ感染で医療現場は慢性的な人手不足」
配信日時:2020年9月26日 5時00分 [ ID:6687]

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マニラ空港

 2020年9月25日、フィリピンでは労働対価が安いため専門知識のある有能な人ほど、海外で働く傾向が高い。また、これまでは政府も海外で働き本国に送金することを強く推奨してきた。

 日本でも受け入れを表明している看護師だ。日本語のハードルが高く、看護師になることは難しいが、英語圏をはじめ英語の使用が認められる多くの国では、フィリピン人看護師の評価は高く多くの収入が得られる。

 フィリピン政府は4月から、看護師を始め医療関係者の出国を禁止した。フィリピン政府は、フィリピン国内で看護師が不足しているため、国内の病院で勤務して欲しい。献身的に働いて欲しいと懇願した。

 当初、政府から病院に出す安全対策が不十分で多くの医療関係者が、新型コロナに感染し、命を落とすケースもあった。

 海外の病院で働いた経験を持つ看護師は、自らの命を守る事、不当に安い賃金で働かせられることに抵抗して、フィリピン国内で働くことをためらっている人も多い。

 フィリピンでは、公立病院以外の治療費は収入に比べて高い。貧困層の多くは病院での診察をせずに、薬局で薬を購入し治すのが一般的だ。また、優秀な医師も国外に流出してしまう傾向が高く、私立病院で勤務している医師の中には、頼れない低レベル医師も多くいるのが現状だ。

 人口1万人あたりの医師・看護師の数は、ドイツ430人、アメリカ337人、イギリス254人、フィリピン65人とのデータもある。

 フィリピン保健省の示している公立病院での看護師の給与は、月650米ドル+新型コロナ危険手当10米ドル(毎日)。

 アメリカの病院での給与は、月3,000米ドル~5,000米ドル。フィリピンで看護を学んだ学生の多くは海外での就業を希望し、国内に残る人は半分以下でしかない。フィリピンでの新型コロナウィルス感染確認者累計は、299,361人。死者累計5,196人。治療中61,766人。回復者232,399人。

【編集:BY】

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