ワールドのニュース

【コラム】万里の長城に近道はいらないよ・中国
配信日時:2023年9月16日 6時00分 [ ID:9211]

このエントリーをはてなブックマークに追加

写真をクリックすると次の写真に切り替わります。

イメージ

 万里の長城は、果てしなく長い。現在残されている長城の距離は、8851.8km。明の時代に作られたものを指すが、もっと古い時代の最も長い距離としては、2012年に21196,18kmと発表されている。非常に長い距離を意味する「万里」という言葉が最適な感じが言われなくても伝わってくる。
もちろん、観光ツアーなどは、ちょうどいい塩梅の距離で、写真をとっても城壁の一部がバエる場所しかいかないから、こんなに歩くことも必要はない。現代人はだいたいこんなお手軽コースで万里の長城を制覇した気分でいる。

 ところが、だ。万里の長城に近道を作ろうと考えた中国人が二人出た~もちろん長い歴史の中では、この二人がはじめてではないはず。
掘削機を使って、車が二台すれ違える規模の道というか、隙間というかを作ってしまった。そこを横切って二人が行きたい場所への近道であって、万里の長城のはじめからおわりまで8851.8kmを短時間でビューンと行けてしまうものとは違う。

 今残っている明時代の城壁は、周辺に32の村があるために三十二長城と呼ばれている。北方の勢力から守る意味を持っている。中国の中にある右玉県樺林山一帯。土を使って築造されている。現代まで壊れていない、掘削機を使わなければ破壊できないくらい頑丈な作りだ。

 ここは、ユネスコ世界文化遺産にも中国国家級名勝地にも登録されている。愚かな二人は知らなかったのか、いや、ちょっとぐらい隙間を作っても気づかれないと思ったおバカさんなのか。

 現在国家によって調査が行われている。しかし、壊されたものは二度と元には戻らない。近道を作ろうと安易な発想をした二人は、一回の死刑どころでは済まないことをしてしまったのだ。

 ちなみに、ニューヨークからパリまでの距離が5836,4km。北極点から赤道までが1万km。北極点から南極点まで4万Km。中国4000年、昔の中国人はなんと壮大な仕事を成し遂げちゃったのか。

【編集:fa】

ワールドの新着ニュース