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【フィリピン】トライシクル工場訪問 ミンダナオ島オサミス
配信日時:2023年10月15日 9時00分 [ ID:9302]

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主要なバランガイにはトライシクルの駐車場があり、呼ぶと自宅まで来てくれます

 2023年10月、トライシクルは、フィリピンで最も一般的な交通手段の1つで、多くの人々の暮らしに欠かせない交通手段です。トライシクルは、バイクにサイドカーを取り付けた3輪車で、3人乗りと5人乗りの2種類があります。

 乗客や荷物を運ぶことができ、タクシーやジプニーが無いオサミスではオートバイに次ぐ乗り物で、沢山のトライシクルが走っています。タクシーのように運賃を取って走るもの、個人が所有するプラーベートカー、荷物運搬用、移動販売車など様々な用途に使われています。

 賃走トライシクルは1人60ペソからで、乗車時に行き先を伝え値段交渉をします。相乗りも可能で運賃も安くなりますが、タクシーと違い一人頭の運賃になります。1日の乗車人数は50名程度、売り上げは1000ペソほどになります。賃走トライシクルを所有している運転手もいれば、1日150ペソでレンタルしている運転手もいます。

 フィリピンのトライシクルの形状は、地域によって形が異なりますが、どのトライシクルも100%手作りで、各地の工房的な町工場で製造されています。

 ミンダナオ島・オサミスにあるトライシクル工場では、10人ほどの従業員が働いており、月産3台が生産されており、注文から3週間で完成します。完成車は1台・約35,000ペソで販売されています。

 製造は鉄筋の溶接でフレームが作られていきます。見た目には丈夫そうには見えませんがブリキ板を溶接することで強度が増します。

 フレームの基本構成は決まっていますが、細かなオプションやペイントは発注者の希望を叶えることが自由自在です。

 私も思わず1台発注しましたが、車を持っている私達は結局妻の兄弟にプレゼントしました。13年経った今でも毎日客を乗せて走っています。

 最近はトクトクと言う輸入車も少しずつですが増えてきています。手作りトライシクルは、けして乗り心地が良いわけではありませんが、車の普及率の低いオサミスではこれからも庶民の足として使われるでしょう。

【執筆:オサミス市在住13年目・上野浩一】

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